デジタルモンスター研究報告会 season2 後編
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628: ◆VLsOpQtFCs[saga]
2023/11/25(土) 16:47:44.29 ID:9HMLjPYuO
繭を食べ終えたモリシェルモンは…
デジタル空間内に散らばっている様々なデータを食べ始めた。

…教員さん、大変です…
パソコン内のデータが次々と食べられていってます!

「…え?、へぇっ!?あ、ああ…あなた達の、その、パートナー?さん達の方が…大変な状況じゃないかと思うんですが…」

まあそれはそうですけども…!
そっちはそっちで、消されたら困るデータがパソコン内にたくさんあるんじゃないですか?

「!あ、あります!期限が近い作りかけの資料とか、生徒たちの成績のデータとか!あわわ…!食べないでぇぇぇ!」

デジタルワールドで高度に進化した多くのデジモン達は、デジタルワールドに住むデジタル生命体を消化吸収するのに特化した消化器官を獲得する傾向がある。
その方が高い栄養価が得られるからだ。

故に、こういったデータを直接食べようとしない種が多い。

だがモリシェルモンの祖先は、生態系ピラミッド最下層のスカベンジャー(分解者)であるヌメモンだ。
デジモンの腐乱死体や糞、朽ち木、腐葉土、他もろもろの有機物ゴミ残渣をなんでも食べる。
それだけの悪食だ。
多くのデジモンが捨てた「データを直接食べる性質」を再び取り戻しているのは不自然なことじゃない。

奇妙な感覚だ。
我々がデジタルワールドを最初に観測したとき、最初に観察したデジモンが、シャコモンから進化したヌメモンだった。

我々が観察したシャコモンは、海中でガニモンに襲われて捕食されそうになったことがあった。

それを見ていた私は、咄嗟にゴミデータをぶちまけて煙幕を張り、シャコモンを助けてしまった。

野生の生存競争に干渉すべきでないと知りながら、ついシャコモンを観察したいという欲求が上回り、助けてしまったのだ。

…あのとき私がシャコモンを助けていなければ、地上にヌメモンが繁栄することはなかったのかもしれない。

そして、それが進化したモリシェルモンが、今目の前に現れることもなかったのかもしれない。

あのとき、迂闊に自然に干渉した軽率な行動の報いが、今私達に業として降り掛かってきたのだろうか…。


…なんて感傷に浸っている場合じゃない!
ワームモンとサラが死にそうになっており、モリシェルモンがパソコン内のデータを食い散らかしているんだ!
ど…どうにかしないと!


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