デジタルモンスター研究報告会 season2 後編
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◆VLsOpQtFCs
[saga]
2023/09/18(月) 19:40:55.21 ID:ffwDTCa+O
…数日後。
ジャスティファイアと連絡を取ってみた。
あれからどうですか?ルドモンとズバモンの様子は。
『うむ!野生デジモンと戦わせようとしたら、そのままデジタルワールドへ脱走しようとするな!その度にティンクルスターモンに連れ戻されている!』
まあ、そうなりますよね。
『当然だな!ふはははは!だがそれくらいで手を緩めたりはしないぞ!』
…よろしくお願いします。
人類と飼育動物の関わり方は、決して互いにメリットを与え合い、愛情を向け合うものだけではない。
例えば日本の狭い国土でニワトリを大量に飼育し、効率よく採卵するために、バタリーケージという狭い監獄へニワトリを閉じ込める手法がよく用いられる。
この方法は、広い庭でニワトリを飼育するのに比べて、極めて強いストレスをニワトリへ与えることになる。
だが、ニワトリに同情してバタリーケージを廃止して広い飼育場で育てるとなると、それだけ飼育コストが跳ね上がり、卵の価格も高くなる。
一般消費者の目線からすれば、どれだけニワトリが苦しもうが、見ないふりして安い卵を買えたほうがよいのだ。
化粧品や新薬のアレルギーテストのために、ウサギや猿などの実験動物を使うことがある。
これらの動物は無論、日々苦痛に苛まれ続けていることだろう。
だが、実験動物に同情して動物実験を廃止したならば、人々はアレルギーテストをしていない化粧品をつけたせいで肌が荒れてしまうかもしれない。
実験不十分な新薬を服用したせいで、副作用に苦しむことになるかもしれない。
一般消費者の目線からすれば、実験動物ぎくら苦しもうが、安全安心の化粧品や医薬品を自分達が使えたほうがいいのだ。
動物と人間の関わり方のスタンスは、そのままデジモンと動物の関わり方にも当てはめられていくだろう。
多数の研究チームが、それぞれ異なるスタンスでデジモンを育成し、試行錯誤する。
必ずしもデジモンに同情して効率の悪い選択をすることが、正解とは言えないかもしれない。
それでも、我々は。
デジモンとの絆を大切にする今のスタンスを、しっかり持っていきたい。
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