デジタルモンスター研究報告会 season2 後編
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192: ◆VLsOpQtFCs[saga]
2023/09/18(月) 18:42:33.03 ID:ffwDTCa+O
パルタス氏の問いかけに、カリアゲが答えた。

「なんでかって!?決まってるだろ!そんな虐待同然の育て方する奴らに、俺達の大事な仲間を預けられるわけねえだろ!この先あんたらに育てられるデジモン達が可哀想だってもんだ!」

「何だと!?貴様、言わせておけば…!貴様に国防の何が分かる!そんなシンパシーに流され、クラッカーに敗北したらどうなるか分かっているのか!」

「負けなけりゃいいんだろ!勝てばよぉ!」

「だからそのために強いデジモンを育てる必要があるのだろうが!」

一触即発の雰囲気になりかけたところで、リーダーがカリアゲを静止する。

「カリアゲ。違う、そういうことじゃない。『コマンドラモンが可哀想だから』なんて理由ではない」

「あり?ちがうの?」

デジヴァイスの画面に、コマンドラモンのチャットが表示される。
『トレーニングが ものたりない』

「え?物足りない?どゆことっすかリーダー?」

「…我々がコマンドラモンにさせているトレーニングは、体力や白兵戦闘能力を向上させるものだけではない。思考力。問題定義能力。問題解決能力。情報共有能力。連携能力。他もろもろの勉強をさせている。頭のトレーニングを重視しているんだ」

「頭のトレーニング…語学学習のようなものか」

「お前達は、ティンクルスターモンにそれを施しているのか?」

「無論やっているが…」

『アネキ!ベンキョーノハナシデスカイ!?ダカラ オレラニハ イラネーッテ イッテンデショ! チカラヅクデ ブッタオシャア カイケツデスワ! ワカッテクダセーヨ!』

「…向いてないんだな。ティンクルスターモンには、頭を使うことが」

「そうだ。だから、優秀な知能の素質を持つコマンドラモンを成熟期へ育て上げ、そのデジタマから産まれたデジモンへ、思考力向上のトレーニングを施そうと考えたのだ。シューティングスターモンと同じ育て方をしようというわけではない」

カリアゲは訝しげな表情をしている。
「…ティンクルスターモンを甘やかしすぎじゃねーか?勉強なんて、嫌でもやるもんだろうが」

いや、それは人間基準を当てはめすぎてるよカリアゲ。
デジモンの脳の進化が、必ずしも人間と同等の思考能力を獲得する方向に向くとは限らない。

カリアゲは野生のスターモンみたいに、空を飛んだり隕石落としたりできる?

「いや無理だけど…関係なくね?」

大いに関係ある。
我々の脳でできることが、デジモンの脳ではできないときがある。
逆も同じだ。
デジモンの脳でできることが、我々の脳ではできないことがある。

デジモンの脳が、人の脳と同等の機能を有しているという前提で決めつけるのは良くない。

「…俺達もそのせいでファンビーモンの育て方をミスったとこあるからな。わりい」

みんな得意不得意があるからこそ、助け合うことで互いを補える。
カリアゲが大事にしてる『絆の力』の本質はそういうことじゃないの?

「…そうだな。悪い、ティンクルスターモン」

『ギャハハハハ!キニスンナ! コザイクハ ニガテダガ ケンカジャ ダレニモ マケネーッスヨ!』


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