古美門研介「こんな機会滅多にないぞ」黛真知子「自信がないのかしら?」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2023/08/30(水) 00:34:32.57 ID:7KMNvF/HO
【おまけ】

「役者志望じゃなく役者! 来月舞台あるし」
「ふーん」

そう威張り散らす蘭丸を少女は鼻で笑って。

「ちなみに、何の役?」
「シャイロック」
「ヴェニスの商人ね。やってみて」
「はあっ!?」
「見てあげるわ」

ふんぞり返る少女。私と黛君が囃し立てる。

「こんな機会滅多にないぞ」
「自信がないのかしら?」

すると蘭丸は渋々演技を披露せざるを得ず。

「しょうがないな……1回だけだからな」

咳払いをして、そこそこの演技力を見せた。

「奴は俺を馬鹿にした。悉く俺の邪魔をして俺の損を嘲笑い……!」
「はいはいはいはい。陥りがちな失敗ね。シャイロックはたしかに糞みたいな悪役だけど、血の通った人間でもあるの。そこがシェイクスピアのふかーいところよ?」

なるほど。しかし抽象的だな。こんな時は。

「はい。服部さん」

白羽の矢を向けると服部さんは名演を披露。

「フハッ! フハハハハハハハハハッ!!!! 奴は……糞を漏らした俺を馬鹿にした……!」

素晴らしい。泣ける。天才子役も感心した。

「うまーい! 私もうかうかしてらんないね」
「はははは。恐縮です」

この時に、少女はロンドン入学を決意した。


【便ミスの商人】


FIN


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