919: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/11/03(金) 23:20:43.73 ID:HsgaOwuKo
シキ「……桜野はシキを必死で守ってくれたのです。シキを抱きしめて、体を丸めて、何をされても絶対動かなかったのです」
シキ「シキが今ここにいられるのは、間違いなく桜野のおかげなのです。でもそのせいで桜野が……」
シキ「……酷かったのです、本当に」
シキ「ずっとうめき声を上げていたのです。気を失ったままずっと。殴られるのが終わってからもずっと」
シキ「一瞬意識が戻って、痛みから逃げるみたいに体が跳ねたかと思うと、すぐに糸が切れたみたいに倒れるのです。またそれを繰り返すのです」
シキ「何度も繰り返すうち、ついにピクリとも動かなくなったのです」
シキ「声をかけてもゆすっても、なんの反応も無かったのです」
シキ「叔父さんも叔母さんも気絶してる桜野にはあんまり興味を示さなかったのです。でも学校の日が近づくと、無理やり叩き起こそうとするのです」
シキ「蹴っ飛ばされた桜野が気絶したままもどして、汚いってまた蹴られたのです」
シキ「結局その週はお休みになったけど、その間シキは何度も見たのです」
シキ「気を失った桜野の口から黄色い液体が溢れるのを何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も何度も」
シキ「そこに赤色が混じり始めた時は本当にもうダメかと思ったのです」
シキ「怖くて、なにかしなきゃって思って。とにかくなにか食べさせなきゃって、無くなっても気づかれないようなものを持ってきて桜野の口にねじ込んで、でもすぐにもどしちゃって……」
シキ「水だけでもって思って、台所を往復して水を運んで飲ませて……」
シキ「不安で不安でたまらなかったのです。もうダメだって何度も思ったのです。なにをしていいか、なにをしちゃいけないか分からなかったのです。あの時ほど、人間に生まれなかったことを呪ったことはないのです」
シキ「それでも、いつか目を覚ますって信じたのです。そうするしかなかったのです」
シキ「それで、それでね、桜野、目を覚ましたのです。完全に気を失ってから、まる1週間経ってたのです」
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