877: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/10/28(土) 00:23:41.07 ID:k2mxwA5/o
桜野「これ……わたしに……?」
透「うん……」
桜野「で、でもっ、なん、で……?」
透「…………私じゃ……守りきれないから……」
桜野「……!」
透「この前の戦いだってすごく危なかった。もしかしたら奪われてたかもしれない。そうなっちゃったのは、これを持ってたのが私だったから……」
桜野「そ、そんなこと……」
透「ううん、あの時、桜野が来る前に私は敗けてた。向こうが本気で奪う気だったら、多分守りきれてなかったと思う」
桜野「それは……」
透「あの時だけじゃない、これまでずっとそうだった。私が弱いせいで、いつも桜野やみんなの足でまといになって……」
桜野「そんなこと……ないよ……!」
透「……桜野」
桜野「違うよ……透ちゃんはなんにも悪くなんかないよ……」
透「桜野」
桜野「……っ」
透「……これはいろんな人の願いがこもった大切なものなの。絶対守りきらなきゃいけないの」
桜野「……うん」
透「それを、弱い私が持ってちゃダメなの」
桜野「……」
透「だから……」
桜野「……」
透「……」
桜野「……みんなに話さなくていいの?」
透「言えないよ。こんなこと桜野にしか話せない」
桜野「……」
透「桜野、お願い……」
桜野「……」
透「みんなの願いを守って」
桜野「……」
桜野「…………」
桜野「………………わかった」
透「……ありがと」
桜野「………………ごめんね」
透「どうして桜野が謝るの」
桜野「………………ううん」
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