651: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/09/30(土) 22:55:21.21 ID:CHpGyZiLo
桜野「んー」テクテク
雪菜「……」トボトボ
桜野「んーー?」キョロキョロ
雪菜「……」トボトボ
桜野「そう簡単には見つかんないなぁ……」
雪菜「……」
『…………うん、うん……わかってるよ……』
雪菜(桜野さん……あの時たしかに……)
『………………コスモス』
雪菜(桜井さんの名前を呼んだ)
雪菜「……」
雪菜(桜井さんの一件のすぐ後、私たちの心配とは裏腹に桜野さんは大丈夫だと言って笑った)
雪菜(いつもと同じ笑顔だった。少なくともそう見えてしまった。でもそれはきっと、本当の笑顔じゃなかったんだ)
雪菜(もしかしたら私は、桜野さんの本当の笑顔をただの一度も見たことがないのかもしれない。だから気づけなかった)
雪菜(本当は乗り越えてなんかいなかった。大丈夫なわけなかったんだ)
雪菜(桜野さんは桜井さんを本当に大切に思っていた。生きる意味そのものだって言っていた)
雪菜(そんな人を……自分の手で……)
雪菜(もし私だったら? もし私が、自分の大切な人を自分の手で殺めてしまったら?)
雪菜(一日や二日で立ち直って元気に明るく過ごすなんて、そんなこと本当にできるだろうか)
雪菜(できるわけない。平気なわけない。大丈夫なわけない。もし本当に何ともないんだとしたら、本気でそう言っているんだとしたら……)
雪菜(そんなのもう…………壊れてる……)
桜野「雪菜ちゃん?」
雪菜「は、はい!?」ビクッ
桜野「ぼーっとしてたけど大丈夫?」
雪菜「あ……えっと……」
桜野「ちょっと休憩しよっか」ニコッ
雪菜「はい……」
1002Res/513.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20