427: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/09/08(金) 23:29:49.41 ID:D06K66tho
桜野「朱さん、それは?」
朱「ネームプレート。普通は品種名とかを書くんだけど、桜野ちゃんの名前を書いたらどうかなって」
桜野「わたしの?」
朱「私が育てました、みたいな感じで桜野ちゃんの名前。あとはクラスの名前とか」
桜野「クラスの名前だけでいいんじゃ……」
朱「お世話係代表なんでしょ? じゃあいいじゃない。1番がんばってるんだし」
桜野「そ、そうですか……?」
朱「うんうん」
桜野「じゃあじゃあ……朱さんの名前も……」
朱「あたしの?」
桜野「だって朱さんも一緒に育ててますし……」
朱「他のクラスどころか、学年まで違う人の名前あったら変じゃない?」
桜野「そんなことないです」
朱「んー……」
桜野「ダメ、ですか……?」
朱「……そうね。うん、わかった」
桜野「ほ、ほんとに……? じゃあ……2年……えと……さ、く……」カキカキ
朱「……」
朱(この花は桜野ちゃんの花。桜野ちゃんの大切なものだ。あたしにとってあの花が、名前も知らないオレンジ色のあの花がそうだったように)
朱(あの花が咲くところは、ついに見ることができなかった。あんな思いは桜野ちゃんにしてほしくない。この花だけはなんとしても咲かそう。そう心に決めた)
朱(それがきっと桜野ちゃんのためになる。きっとなにかを変えてくれる。そう信じた)
朱(そして……)
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