396: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/09/07(木) 22:27:24.76 ID:PRYew+Pgo
朱「はぁっはぁっ!」タタタッ
朱(ついこの間も、こんなことがあった)
朱(桜井さんの件のすぐ後、桜野ちゃんが心配でみんなで教室に押しかけた)
朱(あの時の桜野ちゃんは怖いくらいにいつも通りで、本当になんともないのか痩せ我慢なのか、あたしには判断つかなかった)
朱(ただあの時のことを思い返すたび、なにか大事なものを見落としてるんじゃないかって気分になる)
朱(今度こそ、それを見つけられるかもしれない)
ガララッ!
朱「さくっ……!」
朱「!」
桜野「……」
朱(桜野ちゃんがいた)
朱(窓際で静かに植木鉢を見つめるその背中に、得体の知れない大きな影を見つけた気がした)
朱(いつだってのん気でおめでたい顔して笑う、あたしたちの太陽)
朱(そこに見つけた影を、絶対に見失っちゃいけないって思った)
朱「っ……!」
朱(声をかけるかで迷った)
朱(声をかけなきゃ、どこか遠くへ行ってしまう気がした)
朱(声をかけたら、ずっと深くへ隠れてしまう気がした)
桜野「」ピクッ
朱(でも迷ってるうちに影は薄くなって……)
桜野「……あ、朱さん」クルッ
朱(そして……)
桜野「おはようございます」ニコッ
朱(太陽が咲った)
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