259: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2024/03/08(金) 21:24:17.21 ID:zBkrFghu0
『吾輩が先程述べた“戦後”の日本の立ち位置は、あくまで自衛隊が、人類が現状を打破できるならという皮算用を元にしている。しかしながら現実は非常に厳しい、東南アジアは遠からず深海棲艦によって完全な海上封鎖が成されるであろう』
『連中の動きは無秩序で、“ヒト型”の出現以降局所的には戦術が見られることも多々あるが戦略は見られない。が、その目的が人類の完全な廃滅となることは明白である』
『自衛隊は幾度か、奴らの殲滅に成功している。先日の戦闘では遂に世界初となる戦艦ル級の轟沈を成し遂げた。だが圧勝のように見えて、内実は練度に任せた力押しによるところが大きい。各国の戦闘結果の蓄積という情報アドバンテージも効果的に作用した』
『だがそもそも、深海棲艦とは基本的に特性・物量の双方において人類が扱う近代兵器と極めて相性が悪い。連中のあの数度の攻勢が威力偵察等を意図してのものか、東南アジアへの攻撃からあぶれた群体によるなし崩し的な攻撃かは断定できん。
何れにせよ、先に述べた海上封鎖の完成がかの地域において秒読みであることの証左なのは間違いあるまい』
『奴らの“本攻め”が始まった際、日本に勝ち目はあるのか。ぜひ断言しよう、皆無である』
『元より自衛隊は専守防衛に特化し、そして特化“せざるを得なかった”組織。六個に及ぶ防空機動艦隊を含め、量が極端に不足しているわけではない。しかしながらより質を重視した編成となっていることは疑いようがない』
『現実的に考えて、現有兵力のみで全方位から押し寄せる深海棲艦の大艦隊を迎撃し切ることは不可能である。特に空母ヲ級、ヌ級を一定数以上保有した艦隊との交戦になったなら、空自戦力による航空優勢が消滅する。
無誘導航空爆弾による数百隻規模の“艦隊”への肉薄爆撃など無力に等しく、逆にこちらの艦隊はドローン群による飽和攻撃を受け海自艦隊は為す術もなく殲滅されるであろう』
『…………。“海上”における正面戦闘では、今述べた通り勝ち目はない。故にこそ、吾輩たちは仮に深海棲艦が北上を開始した際、奴らの習性及び目的と海洋国家であるという立ち位置を逆手に取り、“地の利”を得る必要がある』
『その鍵を握るのが、“硫黄島”である』
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