『超高校級の』日向「安価とコンマで依頼を解決する」『相談窓口』
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889: ◆DWp3lSnh.v3L[saga]
2023/09/02(土) 22:29:47.54 ID:SMTW/XrY0
ソニア「…………」

返事は中々なかった。ソニアの中で俺の株がグーンと下がって変態でも見るような心境になってしまっているか、あるいは心の底から呆れているのか。
「……いや、もう良い。悪かった」と俺が超高校級の王女の研究教室を出ようとしたときだった。

ソニア「……ですよ」

日向「……へ?」

か細く小さい、けれど確かにソニアの返事が聞えた。

ソニア「と、撮るのは日向さんで、見るのは腐川さんだけなんですよね? ……だったら良い、ですよ? 私の下着姿を撮っても」

そう言われた時。俺は一体どんな顔をしていたのだろうか。あっさり女子からOKが貰えたという安堵か? それとも王女であるソニアがこんな(ふざけた)依頼を受けてくれたことに対する驚愕か? それとも……ドクンと高鳴った胸の心臓に困惑していたのだろうか。

〜〜〜〜〜〜

鍵をシッカリと閉め、万が一も無いようにドアにつっかえ棒をする。

ソニアが服を脱いでいる間。俺はカメラを持ったまま後ろを向いていた。幾ら下着姿を撮るとはいえ、女性の着替えシーンを生で見るのに対し、一種の忌避感があったからだ。
シュルシュルという服がこすれる音と、ファサッ……という服が床に落ちる音が、妙に艶めかしく聞える。ドキドキと高鳴る心臓を抑えきれない。これは一体何なんだ? 女性の下着姿の写真を撮るだけ(この意識に既に問題があるような気もするが)なのに、何故こんなにも胸がトキメクんだ?

ソニア「……よ、よし! 覚悟完了です!! 日向さん、ドーンと来て下さい!!」

気合の入った。しかしてどこか震えの混じったソニアの声が後ろから聞えてくる。ゆっくりと後ろを振り向くと、そこには下着だけに身を包んだソニアが立っていた。
美しい白い生地のブラジャーにショーツ。ごく普通の女性用下着……ただの布の筈なのに、なぜ女性が実際に着ているだけでこんなにも色香が増すのだろうか。

日向「……撮るぞ、ソニア」

俺の小さい、しかしてハッキリとした宣言に、ソニアは恥ずかしそうにコクリ。と頷く。

──パシャリ

ソニア「──ッツ!」

俺がカメラのフラッシュを切った瞬間、ソニアはより一層恥ずかしそうに顔を背けた。これでは資料になるかどうか分らないと判断した俺は、強めの口調でソニアに希う。

日向「ソニア、ちゃんと俺の方を見るんだ」

ソニア「は、はい……」

小さく、震える声で頷くソニア。目が少しだけウルウルと滲んでいるような気もする。……罪悪感と臨場感。なんとも言えない不思議な感情に身を包みながら、俺は一枚。また一枚とソニアの恥ずかしい写真を撮って行った──

〜〜〜〜〜〜


前の姿の写真を四枚。横の写真を左右合わせて四枚。後ろ姿の写真を三枚。合計10枚の写真を撮り終り、俺はソニアに「よし、もう良いぞ」と服を着ても良いと指示を出す。それに対してソニアは何も言わず。服を着々と着ていった。
……ソニアが服を全て着終わったあとで俺は深く息を吐くと、改めてソニアに頭を深く下げる。

日向「こんな事につき合わせて本当に悪かった。埋め合わせは後でちゃんとするし、約束通りこの写真は腐川以外には絶対に見せない。腐川にもそう強く言い含めておく」

ソニア「は、はい! ……あ、そ、そうだ! でしたら一つお願いがあるのですが……」

「なんだ? 何でも聞くぞ」と俺が言うと、ソニアは恥ずかしそうに俺の耳元に口を近づけて

ソニア「い、一番最初に撮った写真は資料になるかどうか分らないんですよね……?」

日向「あ、ああ。顔を背けてたし……」

ソニア「で、でしたらその──」


──日向さんが、持っていて下さいませんか?


そう言われてからソニアの研究教室を出るまで、俺は自分で自分が何を考えているのかも、何を思っているのかも分らなかった。

↓2 誰に頼みに行く?(男子限定)


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