『超高校級の』日向「安価とコンマで依頼を解決する」『相談窓口』
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386: ◆DWp3lSnh.v3L[saga]
2023/08/15(火) 21:27:50.39 ID:1YZKD6Mu0
鬱蒼とした山道を無言で登っていく俺達。向かう先が向かう先だからか、何故だか山の中がいつもより不気味に見えていた。
……大体一時間ほど歩いたところで、真宮寺が口を開く。

真宮寺「ククク……ただ無言で山登りをするというのもなんだから、今回の廃村とゾンビの関連について、民俗学的な観点から基づいた話しをさせて貰おうかナ」

その口調に、疲れは見えない。これからする話しに対して、俺達二人がどんな反応を見せるのかを楽しんでいるように見えた。

真宮寺「さて、そもそもの話しなんだけど……二人は「ゾンビ」って何だと思う?」

随分と根本的な部分から質問が来たな……でもいきなり「ゾンビ」ってなんだって聞かれても……。

天海「あー……確かあれっすよね。ブードゥー教の魔術? が原点の……」

真宮寺「ククク……流石は超高校級の冒険家だね天海くん。そう、ブードゥー教はそのルーツであるヴォドゥンを信仰するベナンや西アフリカで広く信仰されている儀式魔術で、元はコンゴで信仰されている神「ンザンビ」に由来する物差サ」

真宮寺「ゾンビにを語るにも二種類合って「現実におけるゾンビ」と「架空世界におけるゾンビ」があるんだけど……架空世界の方は作品事に解釈が異なっていてキリが無いから、今回は「現実世界におけるゾンビ」について話させてもらおうかナ」

日向「と言っても、用は「動く死体」の事だろ? 現実として再現が可能かは兎も角として、そうそう難しいものでも無い気がするんだが……」

真宮寺「ククク……日向先輩は根本的な部分を付いてくるねぇ……まぁその解釈も間違ってはいないんだけど、一口に「ゾンビ」と言っても色々あってね……決して「死者」だけを差して言う言葉じゃないんだヨ」

こちらの意見を大きくは否定せず、されどもっと奥深い物であると真宮寺は告げる。

真宮寺「まぁまずはブードゥー教における魔術についての「ゾンビ」から話させて貰おうかナ」

真宮寺「この魔術はブードゥー教の司祭の一つである「ボコ」によって行なわれる物で。墓から死体が腐り始める前に掘り出して、幾度も死者の名前を呼び続けるんだ。すると、死体は声に応えるように起き上がるとされていて、そのタイミングで両手を縛って農園に売り出すのさ。死体の魂は予め用意されていた壺の中に封じ込まれ、以後ゾンビは永久に奴隷として働き続ける……これがブードゥ教における「ゾンビ」だネ」

日向「……あまり宗教を貶めるような事は言いたくないけど……なんというか悪趣味の極みみたいな感じだな」

言葉を濁さず自分の意見を伝える。永遠の眠りについている死者を無理矢理起こして奴隷として働かせるって発想は、日本で生きてきた俺にとっては邪教か何かにしか感じられなかったんだ。

真宮寺「ククク……まぁそうだよねぇ。実際、残された遺族は死者をゾンビになどさせまいと、埋葬後36時間見張る、死体に毒薬を施す、死体を切り裂くなどの方策を採って、死者をゾンビにするのを防止したりしていたんだ」

天海「……ブードゥー教の中でも禁忌の術として扱われていたって事っすか」

真宮寺「そうなるネ。だが無償で、永延に、24時間休まず働き続ける忠実な奴隷というのは、当時の西アフリカではそれはそれは魅力的な物だったのサ」

真宮寺の口は止まらない。むしろ「ここからが本番だ」と言わんばかりに饒舌になり続けていく。



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