【悲報】夢魔の集落に男一人で流れ着いてしまった【たすけて】【安価スレ】
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7:名無しNIPPER[saga]
2023/07/03(月) 14:32:22.97 ID:jO1AKp7NO
意識が戻ったことで身体が本調子を取り戻したのか、包帯の下で肉がぐじゅぐじゅと蠢く感覚を感じる。
包帯を外して傷口の状態を拝見しようと一瞬考えたが、その愚考は速やかに破棄することにした。

「…あの時ファフニールを仕留めておいて良かったよ。あれが無きゃ、俺は死んでいたな」

一週間ほど前に、暇つぶしに国境付近を探索していた時のこと。
どこからか流れ着いた邪龍ファフニールと偶然遭遇し、ガチンコで戦り合うことになったのだ。

三日三晩続いたその戦闘で現場は荒れに荒れ、植物が全て枯れた不毛地帯と化した。
夥しい量の血と肉を散らし、勝利を掴み取ったのは人間だった。
一刀のもとに邪龍の首は斬り落とされ、紫色の血を垂れ流し幕引きとなった。

邪龍の血は生命を蝕み腐敗させる呪毒の血であり、大地に一滴滴るだけで木々は枯れ、川に落ちれば水魚が消え死の川となる劇物。
そんなものを野放しにすることはできなかった青年は、しでかしたことの責任を取ってその全てを飲み干し、遺体をその場で解体した。

その結果がこの並外れた再生能力である。

古来より、邪龍ファフニールの血には特殊な力が宿っており、それを浴びることによって不死の肉体を得られると伝えられていた。

まあ、そんなお伽話は嘘っぱちで正しくはファフニールの血を取り込み、尚且つその毒で死なないのが、不死の肉体を得る条件だったわけだが。
それに、別にそこまでしても不死になれることはない。化け物じみた再生能力は得られるが限界はある。
首を断たれれば。再生できない程の傷を負えば。息絶えるのだ。それはファフニールも変わらなかった。



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