わが友ヒトラー
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125:nanashi ◆tr.t4dJfuU[sage saga]
2023/07/04(火) 20:59:07.49 ID:jiCWbLTH0
一九一四年 第一次世界大戦勃発 

戦争がすべてをぶち壊した
僕がレールから外れたのではない、レールそのものが吹き飛んだのだ
音楽家の道は途絶え、兵隊としての道が始まった
僕に兵士という役はふさわしくなかったと思う
けど、戦友たちと同様に自分の義務は果たそうと努力した

一九一八年 クビチェク父永眠

 ( ¯灬¯ )
┏┛墓┗┓

父は家具職人を辞め、郊外に畑を買い、ひっそりと過ごしていた
そして絶望と悲痛の中で亡くなったと戦場で伝えられた
父さんにはもっとよい晩年を送って欲しかった

一九一九年 第一次世界大戦終結

運よく生き残った
でも、どうやって生きていけばいいのか分からなかった

音楽を楽しむ余裕など誰も持っていない
僕があれほど努力して身につけた音楽は……
誰にも必要とされない無用の長物となっていた

もはや僕一人ではどうしようもなかった
そんな時だった母から手紙が届いたのは

『エフェーディングの役場で事務員を募集しています。
市長さんが言うには
これから採用する職員には戦争中に解散されたオーケストラを新しく設立し
指導する役割が期待されると。
クビチェク、あなたにピッタリの仕事だと思います。
よかったら考えてみてください。
母より。愛する息子へ』

母が気をつかっているのは明らかだ
仕事内容を見ても、給料は少なく、芸術的な業務なんてほとんどなかった
でも他に選択肢はなかった
なによりこれ以上、母を心配させたくなかった

そして僕は役人となった


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