761: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/07/27(木) 23:14:30.40 ID:KTpbYPYLo
ザァァァ
桜野「雪菜ちゃん……」
雪菜「ふぅ……うぅ……」
桜野「大丈夫、大丈夫だよ……」ナデナデ
雪菜「はぃ……っ、はい……」ギュッ
朱「……」
朱「……」ソッ
朱「……」ボロッ
朱「また、傷つけちゃった……」
透「朱……」
朱「透ちゃん……体、大丈夫?」
透「うん、平気」
朱「ごめんね。どうせ倒すなら初めから迷わなければ、そんなに傷つかなくて済んだかも……」
透「違う! 違うよ朱っ!」
朱「でもこれじゃツナミの言った通り」
桜野「そんなことありません!」
朱「桜野ちゃん……」
透「そうだよ。朱、守ろうとしたもん。手紙も、込められた思いもぜんぶ」
桜野「小さな思いかもしれないけど、小さいものも守れないで、大きなものは守れません」
朱「2人ともありがとう……」
朱「……」
朱「……あたし決めた。もうなにも傷つけない」
透「……!」
朱「分かってるよ、きっとそんなことできないって。綺麗事だって」
朱「これからも戦いは続く。そのたび、あたしは誰かの大切なものを傷つけることになる。戦い続けるためには標が必要だもんね」
朱「でもその傷は、忘れないための痛み。目を瞑ったりしちゃいけない」
朱「小さな犠牲を受け入れることより、小さな犠牲も出さないことの方がずっと難しい。簡単なことじゃないって分かってる。でも、だから目指すの」
朱「やっぱり誰にも傷ついてほしくないもの。なにも傷つけないことも覚悟でしょ?」
透「うんっ……!」
朱「……謝らなきゃね、手紙のこと」
桜野「朱さん……」
朱「ちゃんと話すよ。ぜんぶは話せないけど、それでも誠心誠意」
桜野「きっと伝わります」
朱「うん……」
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