【シャニマス×ダンガンロンパ】シャイニーダンガンロンパv3 空を知らぬヒナたちよ【安価進行】Part.1
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◆vqFdMa6h2.
[saga]
2023/06/17(土) 22:09:26.20 ID:EJLX27IQ0
「まあ、いいか……」
あぁ……なんだか息をするのもしんどくなってきた。
肺に穴は空いていないはずだけど、臓器を動かすための動力源が体外に溢れ出ているのだからそれもそうか。
持久走を走り終わった時みたいな動悸がどんどん早くなってきて、喉が焼けるようになってきた。
「これで、守れるん……だったら……」
そんな時、遠くにガコンという音が聞こえた。
本棚より小さくなってしまっている私にはその音の正体がわからない。
『……だ生き……っすか?』
それにもう耳はほとんど機能していない。ザーッという体が崩れていく音ばかりで、微細な音を聞き分けることはもう叶わない。
唯一感じられたのは、地面にくっついた手から伝わってくる振動。
赤べこみたいな可動域になった首をゆっくりと持ち上げる。
『よ……た! こ……で私……ロになれ……ね!』
目の前に黒い影が立っていた。死神だろうか。
『最……何か言い……ことはあ……っすか?』
「……何? 今……なん……つ……た……?」
死神はなんだかとても嬉しそうに、私に向かって手を伸ばしている。
『あー……も……ダ……か……』
その直後、慢性化していた腹部の鈍痛が、再び息を吹き返した。
ズキンという衝撃が全身に広がって、体が急速にそりかえる。
ああ、きっと死神に心臓を抜き取られたんだと思った。
『そ……じゃ……さよ……っす。ルカ……ん』
でも、そうじゃなかった。目の前の死神は、心臓でもなく、鎌でもなく、短い刃渡りの刃を握りしめて、笑っていた。
「ハッ……」
それが私の最後の記憶。
今際の際に見た、悪魔の顔だ。
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