【ミリマス】野々原茜「今は昔、プロちゃんというものありけり」
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30: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:20:16.71 ID:+2A2IV6OO
「茜、やっぱり以前もアイドルしてたのか?」

「あー、違う違う!昔の世界でってこと!初めてプロちゃんと出会って茜ちゃんがアイドルになった時のことだよ」

初めて、茜と会った…?俺は以前にも茜と出会っているのか?
以下略 AAS



31: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:20:50.22 ID:+2A2IV6OO
「まあ、プロちゃんの灰色の青春が真っ黒に塗りつぶされる事態は何とか回避したんだけど、最初のうちはほんと、苦労したなあ。歌もダンスも全然できなかったし、オーディションだって何回も落とされて―」

茜の口から出る野々原茜像は、俺の知っているそれとは真逆の野々原茜だった。人見知りで自分に自分に自信がなく、実際他のみんなにも大きく後れを取っていて、それでも必死にアイドルとして頑張っていたらしい。概要だけかいつまんで聞けば雪歩や可憐と勘違いしてしまいそうだ。

「それでも何とかプロちゃんと一緒にアイドル頑張って、ほんっとーにたくさん頑張って―内容はチョー長くなっちゃうから割愛するけど、その時の茜ちゃんはトップアイドルまで登り詰めたんだよ、今みたいに」
以下略 AAS



32: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:21:19.84 ID:+2A2IV6OO
「そして無事にドームライブを成功させたその日の夜、プロちゃんとこれまでのこと、これからのことについて話し合ってたんだ。その時―」

「その時?」

「世界がバラバラに崩壊して、気が付くと茜ちゃんは自分の部屋のベットの上にいた。さすがの茜ちゃんも訳が分かんなかったよ。しかもカレンダーを見たらプロちゃんと出会った日なんだよ?もしかしてと思ってプロちゃんと初めて会ったあの場所に行ったら―」
以下略 AAS



33: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:21:52.10 ID:+2A2IV6OO
「さすがに茜ちゃんも夢か何かかと思ったよ。けど、夢ならいつかは覚めるよね?その夢は覚めることもなく、身に覚えのあるレッスンをこなして、前に受けたはずのオーディションを受けて、聞いたことのある茜ちゃんの曲を歌って、記憶にある毎日が過ぎていって、またトップアイドルになって、そして気が付けばまたあの場所でプロちゃんと出会ってた」

頭がおいつかない。
茜の話していることは実に非現実的で、突飛な話だ。まるで百合子の妄想をそのまま話にしたような。そんな突飛すぎる話。

以下略 AAS



34: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:22:34.95 ID:+2A2IV6OO
「それから何回もアイドルやったよ?結末は同じだけどそこまでの道のりは毎回違ってて、しほりんともがみんが喧嘩してクレブルが解散しかけたり、勝手にご当地茜ちゃん人形を作ったことが律子さんにバレてメチャクチャ怒られたり、茜ちゃん人形を作る装置が暴走しかけてえらい事になったり」

どれもこれも俺の記憶にはない茜のアイドルとしての活動の記憶。一体彼女は何回世界を繰り返しているのだろうか。

「でも、最後は茜ちゃんがトップアイドルになる、その直前で世界はリセットされる」
以下略 AAS



35: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:23:04.47 ID:+2A2IV6OO
「ま、待ってくれ茜!また一からやり直し?冗談じゃない、せっかくトップアイドルになったんだぞ!?」

「大丈夫だよ、きっとプロちゃんは全部忘れて、また一から茜ちゃんのことをプロデュースできるんだからさ!いやー、プロちゃんは幸せ者だよね!こんな美少女を何回も自分好みに育て上げられるんだからさ!」

「……すまない」
以下略 AAS



36: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:23:33.94 ID:+2A2IV6OO
「……ねえ、なんで何回もリセットされても茜ちゃんがアイドルになったと思う?」

……そういわれてみればそうだ。何度も何度も同じアイドル活動を繰り返して、結局またもとに戻る。それならいっそのことアイドルにならないという手もある。俺と会う時間も場所もわかっているのだから、そこで俺と茜が出会わなければまた別の人生を歩ける可能性もあるかもしれないのに。

「だって、プロちゃんと一緒にトップアイドルになった、その先をまだ見れていないんだもん」
以下略 AAS



37: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:24:03.47 ID:+2A2IV6OO
決意のこもった茜の目が俺を射抜く。
この目に、俺が今してやれることはなんなのだろうか。

ふと、俺のデスクの上に置かれたCDが目に入った。
真っ白なディスクの表面に「新曲」とだけ書かれたそれをみて、俺は一つの賭けを思いついた。
以下略 AAS



38: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:24:32.86 ID:+2A2IV6OO



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以下略 AAS



39: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:25:39.61 ID:+2A2IV6OO
「もー!茜ちゃんが失敗したらどうするつもりだったのさ!茜ちゃんの名前に一生物の傷がついてたところだったよ!」

「失敗したところで、どうせ消える事実なんだから、関係ないだろ」

「プロデューサーさん…私、ちょっと失望しました。今までお世話になりました」
以下略 AAS



40: ◆OtiAGlay2E[sage]
2023/04/20(木) 22:26:15.20 ID:+2A2IV6OO
そう。以前から温めてきた茜の新曲を俺は今回のドームライブのアンコールに急遽使用することにしたのだ。
今回の新曲はズバリ、「スーパーアイドル茜ちゃんを褒め称える曲」だ。全世界の人間がこのウザカワ猫系スーパーアイドルに虜にされた暁にはこの曲の通り、茜の可愛さを褒め称える作文を提出することになるだろう。

本来はドームライブ後に発表する予定だったのだが、その未来が存在しないのなら仕方がない。少しでも茜にトップアイドルになったその先の景色を見せるために、無理やり徹夜で合わせた。間に合わせたと言っても、歌もダンスもほぼ全部即興。何度も世界を繰り返して全てが体に染み付いている茜だからこそできる芸当だ。俺はそれに賭けた。そしてその賭けに見事勝つことができた。


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