夜守コウ「恋が目的じゃないから」七草ナズナ「そうだねぇ、困ったねぇ、コウくん?」
1- 20
2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/12/13(火) 23:15:56.50 ID:gNEOL+1+O
「お前それどうしたんだ? 血が出てるぞ」
「ああ、さっき転んで……」
「あらら……いっぱい出たね」

初めてのキスは仲直りのキスで、甘い血の味がした。夜明け前の歩道橋の欄干の上に器用にしゃがみ込むナズナちゃんは美味そうに僕の血を嚥下して、妖艶に微笑んだ。

七草ナズナ。
彼女は人間ではない。
ナズナちゃんは吸血鬼だ。

僕はあまり女性の容姿に頓着するほうではないけれど、ナズナちゃんは可愛いと思えた。
それは彼女が人間ではなく、吸血鬼だからだろうか。人間以外なら僕はまともに恋が出来るのだろうか。そう。僕は彼女に恋したい。

ナズナちゃんに恋して、吸血鬼になりたい。

でも、キスしたのに、吸血鬼にはなれない。

「恋なんかしてないからだろ」
「はあ? してますけど! はあ!?」
「どうせあれだろ? 昨日のことで勘違いしたんだろ? 1回キスしたくらいで好きになったと思い込んだんだろ?」
「え?」
「そりゃあお前、性欲だよ」
「マ、マジで……?」

キスされて発情したのか僕は。自己嫌悪だ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
30Res/11.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice