絵里「スモーク」聖良「インザ」かのん「ナイト」
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8: ◆TR2vneJwo2
2022/12/03(土) 05:12:33.52 ID:/z/PKe1L0
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https://youtu.be/Yxqo9XjUvo8
スタスタ…
聖良「……寒くなってきましたね」
口から出る吐息が白くなり、訪れる冬の寒さに故郷を思い出す時期が、巡り巡ってまたここにやって来た。ポケットに入れた両手がまだ少しだけ悴んでいる。そして手探りをすれば外の気温と同じくらい、硬く冷たい火打石が手に触れた。
聖良「……」スッ
1本だけならと右のポケットからライターを取り出し左のポケットからはさっき買った煙草を1本抜き取る。夜も更けて、道行く人はまばらで、周りには1人もいない。それでも小さな罪悪感から足は、少しだけ歩みを早める。
カチッ
ジジジ…
聖良「……」スーッ
聖良「ふーっ…」
元より口から出ていた吐息と区別のつかない煙草の煙が夜の空に溶けゆく頃、彼女は会社からの帰り道にいつもの公園を横切る。無音と静寂。たまに風で揺れるブランコ。ちょっと怖い。
聖良「……ちょっと入りますかね」
独りだからか気温のせいか。独り言が増えてしまう自分をあまり見られたくない一心で公園の入口を通る。自転車を塞き止めるフェンスを乗り越え小さなベンチを目指し、風と煙に誘われるがまま座る。木冷たっ。
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