フォスフォフィライト「楽しいは無理だ。全然無理だ。楽しい要素ゼロだ……ごめん」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/11/28(月) 00:07:42.06 ID:WNbILWWDO
「夜の見回りよりずっと楽しくて、君にしか出来ない仕事を、僕が必ず見つけてみせるから……お前、そう言っただろう?」

余計なことを。能天気だったが、今は違う。

「楽しいは無理だ。全然無理だ。楽しい要素ゼロだ……ごめん」

そんなことを考えていた自分とはもう違う。

「ひとりでは正しく景色が見えているかも、もうわからないんだ。いつも傍で君の審判を聞かせて欲しい」

僕は願う。シンシャに願う。辰砂。宝石を曇らせる水銀を含んだ赤い孤独な美しい鉱石。

「僕と一緒に、先生が排泄する鉱物を……」
「楽しくなさすぎる!?」
「でしょ。まず本当のことが知りたいんだ。疑い始めれば先生の全てが怪しく見えた」
「その先は? もし先生が本当に糞をしていたら、お前はどうするつもりだ?」
「……どうって」
「そこで詰まる程度の糞に協力は出来ない」
「フハッ!」

糞とはなんだろう。どんな鉱物なのだろう。

「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

わからない。わからないけど、愉快だった。

「やはり……やはり君は、酷く慎重で賢い」

楽しくなくても愉しいはずだ。だから僕は。

「だから絶対僕には君が必要だ。また来る」
「もう来んな。ただ……見るだけなら別に」

見極めようと近づくほど、わからなくなる。


【宝石の糞】


FIN


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