79: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:36:14.03 ID:EM6Mdgk00
それから何度もライブハウスに足を運んだ。
何度かの握手会を重ねる内に、少しずつ、少しずつ、彼女の話を聞く機会も増えてきた。
80: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:36:53.57 ID:EM6Mdgk00
「君がトップアイドルになっても、こんな風に話ができるような仕事が良いな」
そんなことを口走っていた。
81: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:37:33.52 ID:EM6Mdgk00
「もう少しでお誕生日だったんですが……仕方ないですよねっ!頑張って下さい♪」
最後に会った彼女は、本当に寂しそうにしてくれていた。
82: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:38:31.04 ID:EM6Mdgk00
―――目が覚めた。
何度も見てきた夢だけど、ここまで鮮明にあの頃を思い出すのは久しぶりのような気がする。
83: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:39:04.55 ID:EM6Mdgk00
「あら、おはようプロデューサー君」
「おはようございます。川島さん」
84: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:39:42.80 ID:EM6Mdgk00
「おはようございます。プロデューサーさん」
「おはよう、佐々木さん」
85: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:40:12.14 ID:EM6Mdgk00
控えめでおとなしい少女だが、学ぶことへの積極性は眼を見張るものがある。
先ほどから川島瑞樹と共に新聞を読んでいたが、読めない字やわからない表現が出てくると、川島瑞樹に尋ねていた。
86: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:40:42.14 ID:EM6Mdgk00
「川島さん。少ししたら、来週のスケジュールを確認しましょう」
「わかったわ。いつでも声をかけてね」
87: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:41:12.87 ID:EM6Mdgk00
「おはよう!プロデューサー君!なにか用事ある?」
そうこうしていると、片桐早苗がやってきた。
88: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:41:47.66 ID:EM6Mdgk00
二人のスケジュールを確認し、今のところ無理のない配分になっている事を確認する。
川島瑞樹には新しい化粧品のCMとバラエティ番組でのレポートコーナーへのオファーを、片桐早苗には数件の営業への出演予定を伝えた。
89: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:42:23.42 ID:EM6Mdgk00
今日は何件かの広告代理店、ドラマの制作会社、提携先のレコード会社を訪問する。
季節は初夏。外回りをするのにも難儀な季節になってきたが、すべてはアイドルのため。そう思うと何の苦にもならない。
187Res/104.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20