40: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:29:41.60 ID:ut4Hw6Jr0
何枚かの紙をテーブルに広げる。昨日、彼女に渡していたユニット名候補と、可愛らしい少女のイラストが数枚。
「比奈ちゃんすごいのよ。候補名でイメージできたイラストを次々書いていって」
41: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:30:30.32 ID:ut4Hw6Jr0
川島瑞樹から渡されたユニット名の書かれた紙には、松本沙理奈の提案を荒木比奈がイラスト化した5人の共通衣装案が書き添えられていた。
神山を始め、他のアイドルのプロデューサーは「ユニットのリーダーは川島瑞樹、彼女の決定に従う」と言っており、何よりもアイドルの自主性を重んじるのがプロダクションの方針である。
42: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:31:04.87 ID:ut4Hw6Jr0
ハキハキとした言葉遣いが頼もしい。事務員は何人も居るが、その中でも彼女は群を抜いて有能だ。
「世話になることが多くなる」と言われたが、はたしてその通りだった。
43: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:31:45.67 ID:ut4Hw6Jr0
夕方、打ち合わせは特に問題なく終わった。
広告代理店、化粧品メーカーの営業とで、現在の川島瑞樹は話題性こそあれデビューが発表されたばかりの新人アイドルであることを説明し、本格的なCM起用の話はデビューLIVE以降という方向に落ち着かせた。
44: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:32:22.90 ID:ut4Hw6Jr0
(とにかく、まずはスケジュール通り進めることだな)
アイドルに期待するのは何もファンばかりではない。
45: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:32:59.15 ID:ut4Hw6Jr0
(プロデューサー君、もしその子と再会したら何をやっていたとしてもスカウトしちゃえばいいのよ)
以前、川島瑞樹から言われたことを思い出す。
46: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:33:33.83 ID:ut4Hw6Jr0
「いや、ナンパというわけでは」
立ち上がり、スーツの埃を払いながら答えた。
47: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:34:06.51 ID:ut4Hw6Jr0
「あ、怪しいものでは……。これ、名刺です」
言われるがまま名刺を差し出してしまった。
48: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:34:37.51 ID:ut4Hw6Jr0
「ふーん…………おおっ!芸能プロダクションのプロデューサー!?へー……スゴいじゃない!ナンパじゃないとしたらスカウト?キミ、見る目あるじゃない♪」
「え?」
49: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:35:10.49 ID:ut4Hw6Jr0
「本当に昔の知り合いと思っただけってことね。信じてあげるわ!」
低い位置から肩をバシバシと叩いてくるが、このカラッとした笑顔は何物にも得難く感じてきた。
50: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:35:48.62 ID:ut4Hw6Jr0
もともと直帰予定だったこともあり、その後は彼女の仕事が終わるのを待ってからとなった。
彼女、片桐早苗が勤める警察署から少し離れたカフェ店での待ち合わせとなった。
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