839: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/09(金) 12:44:33.90 ID:9oar5n900
菜々「えへへ……。……それで……あの……私はどうすればいいんでしょうか……」
真姫「そうね……秘書の件は貴方の親御さんたちと話さないといけないとして……」
菜々「さ、最初のポケモン……とか……」
真姫「それは、用意はしてあげられないから、一緒に捕まえるしかないわね。それよりも、必要なことがあるわ」
菜々「必要なこと……?」
真姫「トレーナーとしての名前よ」
菜々「トレーナーとしての……?」
真姫「菜々って名前のままトレーナーになったら、公式戦に出たときにご両親に感付かれる可能性があるでしょう?」
菜々「あ……確かに……」
菜々の父親は、話を聞く限り筋金入りのポケモン嫌いみたいだし……。
そうなると、そのままの名前でトレーナーになるのはあまり得策とは言えない。
トレーナーとしての登録名自体を変えた方が安全だ。
それに……。
真姫「見た目もね……」
三つ編みに眼鏡。いかにも優等生でポケモンバトルをしなさそうなこの子の見た目は、バトルフィールドに立つと却って目立ちそうだ。
真姫「ちょっとじっとしてて」
せつ菜「は、はい……」
真姫「三つ編み、解くわね」
結ばれた三つ編みを解いて、髪を下ろし──
真姫「眼鏡も外した方がいいわね……後でコンタクトを買いに行きましょう」
眼鏡を取る。
あとは……。
真姫「……髪留め持ってる?」
菜々「ゴムしか持ってないです……」
真姫「……じゃあ、これ」
私はポケットから、髪留めを一つ取り出す。
──これは梨子から貰ったものだ。私は髪留めは使わないと言ったんだけど、まさかこんな形で使うことになるとはね。
髪を菜々の右側頭部で結んで、それを髪留めで留めてあげる。
真姫「……いい感じじゃない」
菜々の手を引いて、私の部屋の姿見の前まで連れていく。
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