740: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/04(日) 12:28:54.86 ID:iC9FggQ30
穂乃果「……となると、無理に説明したりしないで、そういうものだと思い込んでもらったままの方がいいかもしれないね。もちろん、本部へは一応報告するけど」
彼方「そうだね〜……特異な存在だって知っちゃうと、逆に関わりを持っちゃうから……」
千歌「まあ……せつ菜ちゃんなら、仮にまた遭遇しても同じように対処しちゃいそうだしね……あはは」
千歌さんは過去に覇を競い合った相手なだけあって、せつ菜さんの強さをよく理解しているようだった。
彼女たちがそう判断したのなら、私たちからこれ以上言うことは特にない。
千歌「それじゃ、近くの街まで送ってくよ。ダリアでいい?」
かすみ「はい……今日中にセキレイに行くつもりでしたけど、もうくたくたなので、ダリアで休みたいです……」
彼方「それじゃ〜そんなかすみちゃんに彼方ちゃんが元気が出るご飯を作ってあげよう〜」
かすみ「え、ホントですか!? キッチン付きのホテル探さなきゃですね……!」
現金なモノで、彼方さんがご飯を作ってくれると聞くと、かすみさんは意気揚々と歩き出す。
まだ元気、結構余っている気がするんだけど……。
そんな中、遥さんが、
遥「あの、しずくさん」
しずく「? なんでしょうか……?」
遥「再び襲われた今でも……旅を続けたいと思いますか」
真剣な目で、そう訊ねてきた。
しずく「……はい」
遥「……わかりました」
それだけ言うと、遥さんも彼方さんたちを追って先に行ってしまった。
しずく「……」
穂乃果「遥ちゃん、ずっと心配してたからね」
しずく「はい……」
遥さんに診てもらい助けてもらった手前、罪悪感はある。
そんな私の胸中を察したのか、
穂乃果「旅を続けるって決めたなら、しずくちゃんはそれを頑張ればいいんだよ」
穂乃果さんは優しい声でそんな風に言う。
しずく「はい……ありがとうございます」
穂乃果「それじゃ、行こう。ダリアへの道は長いから、急がないと日が暮れちゃう」
しずく「そうですね……」
私は穂乃果さんの言葉に頷いて──再び道を歩き始めるのでした。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20