413: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/17(木) 02:22:42.27 ID:pCSsxJZL0
■Intermission👠
──ここはコメコシティの地下に作られたDiverDivaの前線基地。
果林「……そろそろかしらね」
私がモニターを見つめながら振り返ると、ちょうどいいタイミングで、
愛「──戻ったよー」
「ベベノ〜!」
愛「おっとと……ただいま。善い子にしてたか〜? ウリウリ〜♪」
「ベノベノ♪」
愛が戻ってくるなり、飛び付いてきた手持ちのポケモンとじゃれ始める。
果林「愛、お疲れ様」
愛「あんがと、カリン。……って言っても別に大したことしたわけじゃないから特に疲れてもいないんだよねぇ。エレズン連れて、ドッグランから北上して、コメコ牧場の方まで逃げてただけだし」
エレズンの特性は“せいでんき”。野生のラクライたちは、それに引かれて、エレズン目掛けて追いかけてくるが……牧場にはエレズンと同じ“せいでんき”の特性を持つ大量のメリープがいる。
牧場まで近づけばラクライたちは自動的に、数の多いメリープたちに引き寄せられ、牧場に襲い掛かるという寸法だ。
確かに愛の実力を考えると、ただの囮役というのはやや役不足感が否めないかもしれない。
果林「でもお陰で、満足の行く成果が得られたわ。愛の言っていたとおり、良いものが見られた」
愛「そりゃ何よりで。……にしてもカリンって、いっつも強引な計画ばっかり考えるよね」
果林「そうかしら?」
愛「今回だって、歩夢がラクライたち撃退しきれなかったらどうするつもりだったん? エマっちも無事じゃ済まなかったかもよ?」
果林「そのときは私がエマを助けに行っただけよ」
愛「うわ……マッチポンプだ。失敗しても、エマっちの好感度が稼げると……」
果林「好感度が稼げるって……別にそんなんじゃないわよ」
愛「普段あれだけイチャイチャしてるのに、よくそんなこと言えるね」
果林「イチャ……/// ……し、してないわよ! エマが勝手に世話を焼きに来てるだけ」
愛「まー私は別にいいんだけどさー。この間、姫乃が怒ってたよ?」
果林「え? 姫乃が……?」
愛「『最近、あの現地人と距離が近すぎる〜』って」
果林「…………」
姫乃の目から見ると、そう見えるのかしら……。
果林「と、とにかく……エマとはそんなんじゃないから」
愛「へいへい、そんじゃそういうことでいいよー」
愛は適当に返事をすると、席に座って端末を弄り始める。
果林「本当に違うのに……まあ、いいけど」
全く、私が現地の人間にそんなに肩入れするはずないのに。
だって、私たちには──譲ることのできない目的があるのだから。
目的達成の邪魔になるのだったら……もし、その相手が例えエマであっても私は……。
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