20: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 15:16:12.17 ID:QLy5TvuG0
■Chapter002 『パートナー』 【SIDE Yu】
善子「……とりあえず、捕まえられたのはこれで全部?」
ヨハネ博士は椅子に座ってモンスターボールを並べながら、眉を顰める。
善子「何匹か足りないわ……。外に逃げちゃったのね」
「ゲコガァ…」「ムマァ…」「カァー」「シャンディ…」「ヒュララァ」「ソル」「ゲルル…」
善子「貴方たちのせいじゃないわ。手伝ってくれてありがとう、みんな」
あの後、どこからともなく現れたヨハネ博士の手持ちによって、研究所内を走り回っていたポケモンたちは瞬く間に捕まえられたんだけど……何匹かが外に逃げてしまったらしい。それと──
しずく「メッソン! メッソーン! 出て来てくださーい! ……うぅ、ダメです……見当たりません……」
善子「……無理もないわね。メッソンは臆病なポケモンだから……」
先ほどの騒ぎに驚いたのか、メッソンも逃げ出してしまったらしい。
善子「メッソンともども、早く探しに行かないと……」
博士は椅子から立ち上がろうとして、
善子「ぅ……」
侑「わ! 危ない!!」
すぐによろけてしまったところを、慌てて支えに走る。
歩夢「ピチューの電撃を浴びちゃったんですから……無理しないでください」
善子「……面目ないわ」
再びゆっくりと椅子に座らせてあげると、博士は深く深く溜め息を吐いた。
善子「それにしても、かすみには困ったものね……」
侑「かすみちゃんもゾロアも、イタズラ好きだからね」
しずく「今回に関しては、いくらなんでも度を超えています! こんなやり方で抜け駆けしようとするなんて……」
侑「あはは……こんなことするほど、最初の1匹に拘りがあったのかもね」
しずく「……あれ?」
私の言葉を聞いて、しずくちゃんが首を傾げた。
侑「どうしたの?」
しずく「……かすみさん、最初のポケモン選びで出し抜くために、こんなことをしたんですよね?」
侑「う、うん? そうだと思うけど……」
しずく「なのにどうして、ヒバニーは残っていたのでしょうか……?」
歩夢「そういえば……」
「バニ?」
そういえば、ここに来る途中も話していたけど、かすみちゃんの趣味だとヒバニーを選びそうだって言ってたっけ?
侑「最後の1匹がもっと好みだったとか?」
しずく「えぇ……? かすみさんがあのポケモン選ぶのかな……?」
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