高崎和音「85離れたあなたはきっと私のことなんて見向きもせずに、別の女に夢中よ」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/16(日) 23:31:53.05 ID:hzJqnGb6O
「ねえ、和音」
「なによ、改まって」
「この世界に偶然なんて存在すると思う?」

存在する。通り魔に遭遇したのも偶然に過ぎない。偶然の証明は量子力学において立証されている。偶然と必然の違いは人の意思だ。だからこそ私は自分の仮説に自信を持てる。

「たとえば、もしも仮に、今この場で僕が便意を催したとして」
「え?」
「いや、並行世界の話ね」
「あ、ああ、うん」
「話を続けるね。それで便意を催したとして僕は車を停めて道端でするか、このまま漏らすか選べるわけだけど」
「漏らす選択肢があるの?」
「並行世界では、或いは」

並行世界を都合よく使うな。睨みつけると。

「えっと……それで僕は、このまま漏らしてもいいと思うんだけど……君はどう思う?」

なんて馬鹿な質問。問題にすらなってない。

「それは偶然?」
「それは……」
「暦がしたいなら、いいんじゃない?」

これは必然だろうか。彼の脱糞は彼が選んだのか、それとも私が選んだのか。私が選ぶ並行世界と彼が選ぶ並行世界は結局同じ結果に収束する。つまりゼロだ。美しい円環の輪。

「はあ……良かった」
「なにが?」
「和音が僕を愛してくれて」

そんな言い方されたら怒れない。ずるいわ。

「今度からは漏らす前に出題しなさい」
「フハッ!」

嗤って誤魔化すあなたも私は愛しいと思う。

「たぶん、漏らした暦を好きなのは私だけ」
「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

私の気を惹こうとして、糞を漏らした。いつまで経っても幼く可愛い暦の恋心。愛しい。
85離れた私ではなく、私だけが愛している。


【僕が漏らしたひとりの君へ】


FIN


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