35:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/10(月) 23:51:43.57 ID:R3+wBdbD0
再び前方の天使の像を見上げるマリ
マリ「文書のとおりだ……あそこに、これを収めるところが――」
指輪を左手に持ち替え、右手でふたたび銃をとる
ふと、足元に視線を移すマリ
広いフロアの一面に、石造りの細長い箱が並んでいる
蓋のない小さな棺のように見える
立ち尽くし、あたりを見回すマリ
眉をひそめる
マリ「私……ここ、知ってる?……どうして?」ハッ
部屋の向こう、いま入ってきたのとは別の入り口の暗がりで光が揺れ、足音が近づいてくる
さっと振り返り、そちらに銃を向けるマリ
やがて、背の低い人影が歩み入る
人物の背景は半ば透けており、かすかに光にふちどられている
マリ「ホログラム?」
マリの銃口が少し下を向く
防寒着を着込み、ときおり白い息を吐いている短躯の男性
懐中電灯であたりを照らしながら見回している
男性『何ということだ……』
マリ「!」
声を聴き、体をこわばらせるマリ
マリ「……え?」
あたりを見回している男性
光の加減で男性の顔が一瞬浮かび上がる
息をのむマリ
マリ「お父さん……」
ゲンドウの声『そうだ』
マリ「!」
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