【走れメロス】コロナ禍の大学生「メロメロスは激怒しためろ」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/02(日) 14:37:32.17 ID:TBjx1CWm0
メロスは、いつの間にか、マスクをしていなかっためろ。
呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出ためろ。
見えるめろ。はるか向うに小さく、シラクスの市の大学が見えるめろ。
大学の窓ガラスは、夕陽を受けてきらきら光っているめろ。

「ああ、メロメロス先輩。」
うめくような声が、風と共に聞こえためろ。
「誰めろ。」
メロメロスは走りながら尋ねためろ。
「フィロストラトスです。貴方のお友達セリヌンティウス様の後輩です。」
その若い大学生も、メロメロスの後について走りながら叫んだめろ。
「もう、駄目です。むだです。走るのは、やめて下さい。もう、あの方かたをお助けになることは出来ません。」
「いや、まだ陽は沈まないめろ。」
「ちょうど今、あの方が公開処刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」
「いや、まだ陽は沈まないめろ。」
メロメロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていためろ。走るより他は無いめろ。
「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じておりました。大講堂に引き出されても、マイクロソフトチームズでの配信が始まっても、平気でいました。教授が、さんざんあの方をからかっても、メロメロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でした。」
「それだから、走るめろ。信じられているから走るめろだ。間に合う、間に合わぬは問題でないめろ。人の命も問題でないめろだ。メロメロスは、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているめろだ。ついて来いめろ! フィロストラトス。」
「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」



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