5: ◆36RVFTz/1g[saga]
2022/07/31(日) 23:31:08.80 ID:IflkpiJ4o
【 間宮 】
時代と共に味覚は変わる。
今でこそ控え目で上品な甘さが好まれるが、昔はそうではなかった。
甘いものを、とにかく甘いものを。 皆が皆、誰もが甘さに飢えていた。
頭が割れるような、舌が溶けるような、そんな強烈な甘さ。
◇
赤城「間宮羊羹ですか」
赤城「今のは勿論美味しいんですが、昔のも懐かしく思います」
提督「前は違ったのか」
赤城「甘いんです、昔のは」
赤城「とにかく甘くて甘くて、頭が割れるくらいの甘さです」
提督「ほう」
赤城「当時甘味は本当に貴重で、滅多に食べられるものではありませんでした」
赤城「だからこそ」
赤城「ほんの一切れ、一欠片を大切にしていたのです」
赤城「今でこそこうやって一棹丸ごとかじる事も珍しくありませんが」
提督「今でもお前だけだよ」
赤城「当時は小指の先程の羊羹を、それこそ舐めるように頂いていたものです」
提督「ふ〜む、なるほどなぁ」
赤城「甘味が貴重だった頃を忘れてはならないのです」ペロペロ
提督「皿についたあんこを舐めるのは止めろ」
赤城「忘れてはならないのです」ペロリ
提督「分かったから。 もう一個食べていいよ」
赤城「はいっ!」ニコーッ
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