232: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/09/22(木) 00:38:05.61 ID:l3Wpp4NBO
そこへ、灯花が声をかけてくる。
「みんな。こっちは用意が出来たよ。あとは……」
「分かった。……それじゃあ、みんな。私たちは……」
「|もう……行くね。みんな、きっと元気で……|」
「あの、最後にやちよさんに、一つお願いがあります」
「何、二葉さん」
「一度だけでもいい。……私を名前で呼んで欲しいです」
「……あなたのことは、ずっと苗字呼びだったものね。仲間外れにしていたみたいで、ごめんなさい。さな」
「……やっと、名前で呼んでもらえた。嬉しいです」
「さな、私たちの家族でいてくれてありがとう。未来で目覚めるまでのことは、私たちに任せて」
「はい…!」
桜子が最初に用意を整えて、鶴乃、さなが続く。
いろはたちがそれを見守り、三人がコールドスリープマシンに入るとプログラムが走り始めた。
三人は純美雨の能力である真実の偽装により、数十年後にメディカル・センターで病死した扱いになる。
三人はやがて眠りに入り、稼働を開始したマシンは時間のカウントを始めた。
カウントが百年目を迎えた時に三人は目を覚ます。
しかし、その時、いろはたちは命を全うしている。
三人が無事に未来で目覚めることができるよう、いろはたちは、今できることに精一杯取り組むしかない。
「本当に……本当にありがとう、鶴乃、さな、桜子。そして……さようなら……」
やちよの呟きを最後に、一行は静かに収容室を後にした。
そして、いろはたちの新たな戦いが、幕を開けることになる……
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