164: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/08/30(火) 15:22:33.43 ID:YmEHP9jHO
みふゆが返事をしようとしたその時、電車がホームに滑り込んできた。
つい先ほどまで人がまばらだったホームは、大勢の乗客で溢れており、
いろはたちの後ろにも既に行列ができていた。
電車のドアが開くと、乗客が下りた後に車内が空き、そこへメンバー全員が乗り込むが、
直後に下りた人数以上の乗客も一緒に乗り込み、周囲に押されて圧迫されそうになる。
みかづき荘メンバーは、いろはを囲むように立って壁を作り、いろはの周囲の空間に
余裕を持たせて、検証に専念できるようにした。
(……動いた!)
電車がホームを離れると同時に、いろはは外の風景とソウルジェムを交互に見始め、
先日同様、ソウルジェムの浄化が途切れる地点を探り始める。道中、数駅の停車を
挟んだ後、いろはとういが先日渡った橋が見える鉄橋へ差し掛かった。
いろはは、片手にソウルジェムを持って、顔のやや前で掲げたまま外の風景と見比べた。
昨日は橋を渡った時点で途切れた浄化だったが、橋を渡ってもなお浄化は続き、やがて
電車は宝崎市へ入っていく。
(浄化がまだ続いてる…!?)
宝崎市内に入っても浄化は続き、いろははソウルジェムを注視し続けた。
そのまま電車は宝崎市内を走り続け、停車を何度か繰り返すと、宝崎市と
別の街の境に架かる鉄橋を渡り、その線路の途中で浄化が途切れた。
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