エンド・オブ・ジャパンのようです
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26: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/15(金) 23:18:54.67 ID:fyoNDgrB0
腹ばいになっていた地面から立ち上がり、G36Cを構え、引き金を引く。最大有効射程800mに対して“標的”との距離は200m強、向こうのデカさは5mオーバー。おまけに光学サイトの照準補正付きだ。

射撃が特別得意ってわけでもないが、外す道理はない。

『オォンッ!?……ガァァッ!!』

放った弾丸は全て標的──駆逐イ級の右眼周りに着弾し火花を散らす。突然視界を遮られたイ級は面食らったように一瞬仰け反り、すぐにこちらを向いて咆哮する。

元々深海棲艦の駆逐級については、通常種・Elite・Flagship以外に前期型と後期型という分類が存在した。
海上特化………というかほぼ海のみでしか運用不可能な形状のものが前期型、歪な足のようなユニットを生やし、水陸両用とまではいかないにしてもある程度の陸上行動を想定した造りになっているものが後期型と呼ばれる。

だが【泊地】が出来てからしばらく後、“新型”がヨーロッパの各戦線に出現した。

『グォオオッ!!!』

(*#゚∀゚)「イ級、こちらを指向!!」

(#'A`)「前進止めるな、とにかく視界を潰し続けろ!

Feuer, Feuer!!」

それが、目の前のイ級のような“陸棲型”だ。

名前の通り、この型はそれまでの深海棲艦と比較し陸上活動能力が桁外れに向上している。艤装の転換や装備性能の改善というよりは、どうも奴ら自体が根本から「造り直した」代物らしい。

例えばイ級の場合、体の両側面から3対の「脚」を生やしておりこれを用いて歩行・走行する。

形状としてはまんま昆虫のそれをイメージすれば当てはまるが、「節」の部分は連中の甲殻と同じ物質で覆われていて並の火力では容易には破壊できない。
前脚2本はカマキリの鎌のような使い方も想定しているためかやや大きく発達していて、先端も後ろの二対と比較しかなり鋭利だ。

フランスの方じゃ前脚を使い穴を掘っていた姿も目撃されているらしいので、或いは建設重機の役割も担っているのだろうか。12.7cm連装砲をぶっ放せるブルドーザーがあったらさぞや岩盤工事が捗るだろうな。

速度は時速30km前後、後期型のあの取ってつけたような脚部ユニットと比較すれば天と地ほどの差があるが、そこまで高速というわけではない。が、連中には図体のデカさと表皮の頑丈さ、そして軍艦をモチーフとした化け物ゆえの“航行距離”の長さがある。
障害物ガン無視で長時間の無停止行軍が可能となればその機動力は決して馬鹿にならず、しかも駆逐級故に物量も膨大だ。

実際コイツらが最初に確認された北欧戦線は100隻を越える“陸棲型”との接敵から僅か1時間で防衛ラインを食い破られ、ようやく配備されたノルウェー軍最初の艦娘による奮闘もむなしく28時間後にはヴィーケン県全域とノルウェーの首都オスロを失陥した。


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