エンド・オブ・ジャパンのようです
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182: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/25(土) 23:49:13.90 ID:cV+x1Pjf0
B.C.自由学園の戦車道チーム隊長、アスパラガス。今まさに扉を開けて室内に入ってきた彼女は、そのままズカズカと大股に私のところまで歩み寄る。

「確認を」

短い一言とともに投げ渡された紙の束。目を通せばそれは、彼女に先程依頼した“仕事”に関する資料。現時点でこの場に集っていない他学園艦との相互連携構築、及びそれに伴った更なる【戦闘車両】の抽出・運搬経路確保の途中経過報告だ。

いや、違う。この表現は正しくない。

川;゚ -゚)「………………………!」

、、、、、、、、
既に終わっている。アスパラガス、そして共にこの“仕事”に取り掛かっていたダージリンと遠藤はるかは、各学園艦との連絡並びに交渉を終え、車両移送の開始にこぎ着けている。幾らか突貫工事で強引に間に合わせた痕跡はあるが、そこを差し引いてもほぼ完璧と言っていい。

依頼してから、ものの二時間と経っていないにも関わらず。

川;゚ -゚)「マジかよ」

「フフッ」

思わず本気で唖然として呟くと、アスパラガスに付き添う形で部屋に入ってきていたもう一人の“【政治】に精通している人物”───聖グロリアーナ女学院隊長・ダージリンは此方に視線を向けて小さく不敵に笑う。
まるで、この程度自分達にとって造作もないとでも言うように。

ケッ、おもしろくねー女どもだぜぃ。

「【艦娘三原則】は、誤解を恐れずに言えば“簡単”だったざます。人間を最優先で守れ、人間に逆らうな、人間を傷つけるな、守るべきルールはそれだけだった。人間は味方であり主人、敵は深海棲艦、そんな勧善懲悪的な二元論の線引さえしていればよかった」

資料の手渡しを終えたアスパラガスは、歩調そのままにホワイトボードのところまで移動すると振り返り部屋を見渡す。
口調と併せ、その様子はさながら厳格な教授が生徒たちに専攻学問についてレクチャーしているかのようだ。

「しかし、【艦娘自己自衛権】はそのルールを根底から書き換えた。“人類之全善全味方全主”という状態から、眼の前の人類を“自分で敵と味方に分類”しなければならなくなった。

せめて半年前から施行されていたならまだ救いもあっただろうが、最悪なことにこれが通ってまだ一ヶ月すら経っていないざます」

「………私達人間だって、住んでいる国の法律を何の資料も持たずソラで言えるような奴なんてきっと世界中見ても数えるほどしかいない。それでも殆どの人間が法を犯さず生きていけるのは、“教育”されてるからだ」

アスパラガス教諭による「授業」の途中で、或いはミカがポエムを口にした時点で、その可能性に思い至った一人なのだろう。やや青ざめた表情で間髪入れずセリフを継いだのは、アンツィオ高校隊長・アンチョビ。

どうでもいいけどコイツの名前本名呼びにすべきかソウルネームで行くか迷うな。


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