179: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/23(木) 23:10:43.55 ID:Loa0vns40
まぁ、今は“確保”が終わってる以上一先ずこれも済んだ事だ。何を考えているのであれ、“大人しく”している間は構う必要もない。胸中で逃走や独自行動を企てているにしろ、熟慮する分だけ此方も対策を立てる時間は出来る。
彼女を含めた何人かには“積もる話”が幾らかあるため、最後まで大人しくしててもらった方がいいことは確かなのだが。
「ハァ………オーケーオーケー。落ち着くわよ、マホが我慢してるのに私だけがカッカしても意味ないし」
そうこうする内に、ケイが降参でもするように両手を掲げてため息と共に小さく肩を竦める。計画通りだぜグヘヘ。
「ミホを助ける為なら何だってするって言ったのは私達だもの、JSDFへのsupportだって立派に“なんでも”よね。ミトに対してそれが行われるなら、オオアライへのsupply lineを考えたときに理に適ってもいるもの。
……ただ、ねぇ」
やはり、西住まほ同様納得はしていない。そんな感情を露骨に顔と態度で表しつつ、ケイは背後のホワイトボードに貼られた茨城県全域の地図を親指で指す。んだルー大柴の女体化やんのかオラ。あんまナマ言ってっとそのデカ乳萎ませるぞオラ。
「理に適っては居るけど、必要だったの?ミトにはJSDFも、【カンムス】も展開していたんでしょ?クソッタレのTerrorist共に奇襲を受けてかなり大きく混乱はしてるでしょうけど、練度と火力差を考えたら直ぐに殲滅できるんじゃない?
ほら、例のナントカって言うNew Lawsでさ、カンムスだって自分の仕事の邪魔をするヤツはぶっ飛ばせるようになったんだし」
川 ゚ -゚)「………ふむ」
確かに、彼女の指摘は相棒であるガムクチャネキのファイアフライを用いた狙撃並みに的を射ている。
長年に渡る「下準備」によって全国に出現した“武装勢力”は火力も兵力も一介のテロリスト集団としては法外なものを持っているが、それでも限界はある。取り分け激しい攻撃が行われた水戸市や都内でさえ、陸を闊歩する軍艦に対抗できるほどの火器を保有している部隊は皆無だろう。
仮に艦娘や自衛隊が“十全に”機能するなら、せいぜい30分で返り討ちだ。
しかしながら、これはあくまで“戦術的”な観点での見方。“政治的”な要素を追加した場合、話は一気にややこしくなる。
川 ゚ -゚)(まぁでも、世間一般も“その程度の認識”だろうね)
逆説的に言えば首相・南慈英の、そして自分の危惧は間違っていなかったと再確認できたので良しとしよう。そんなことを思いながら意図を説明すべく口を開いたが、
「─────荒れ狂う風に吹かれた木々が、即座に曲がるわけじゃないよ、ケイ」
その手間は、思わぬ形で省かれることになった。
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