エンド・オブ・ジャパンのようです
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176: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/22(水) 23:01:28.64 ID:40wUtYBm0
滔々と語りつつ、私は室内への警戒を緩めていなかった。彼女らの耳に“正論”を届きやすくするため敢えてそうしている面もあるとはいえ、必要以上に強い言葉を使っていることは事実。
理性でその内容を受け止めきる前に、先のケイやコサック被れのチビッ子……プラウダ学園隊長・カチューシャのように感情が炸裂してしまうことは十分に考えられた。

だが、結局は杞憂に終わる。室内の空気は相変わらず張り詰め、かつ険悪なものだったが、そこから更なる“激発”に至った者はいない。

「んん〜……………もう!!」

「…………Shit」

これはケイ、そしてカチューシャについても同様だ。二人共胸中に波々と私に対する不満や敵意が溢れかえっている様子だが、尚も詰め寄ってくるようなことはなかった。

まぁ、“最も憤怒するべき人物”が二人、どっちも沈黙を保ってるからね。そりゃあ他の連中も毒気を抜かれるというか、それを超えてのブチギレは気が引けるだろう。へいへいJKビビってるぅ!

川 ゚ -゚)「“お姉様”も、この方針にご同意いただけているという認識でよろしいでしょうか?」

「…………ええ。全面的に」

敢えて、その内の一人に会話を振る。部屋の中央に鎮座した長机に座る彼女───黒森峰学園隊長・西住まほは、静かな声で応えた。

「我々は“本物の戦争”なんて知らない。所詮は紛い物の戦乙女、闇雲に戦場に出れば自衛隊や米軍の足を引っ張るのは目に見えている。

みほを本当に助けるなら………結局のところ、変に出しゃばって“本職”の人達を邪魔するべきではない。

貴女の言う通りだ」

川 ゚ -゚)(………こっちの言い分を理解はしているが納得はしてない、ってところかね)

口にする言葉は冷静そのもの。だけど含まれる響きの中に、自分自身に言い聞かせているようなモノがある。瞑目し、頭を垂れ、手を前で組み、唇を薄く噛みしめるその姿は、明らかに体内で荒れ狂う衝動と戦っているからだろう。
人の話は目を見て聞けってママに習わなかった????

川 ゚ -゚)(あのコミュ障ママだとマジで教えてない可能性も微レ存だけどさ)

ただ、肉親が安否すら不明の状態に晒され、それを救う為に自ら出張ってきたのに結局手をこまねきざるを得ないというのが西住まほの置かれた現状だ。
その中で理性を失わず、感情的な行動を控えようと勤められるだけでも、到底“華のJK”とは思えない尋常ならざる精神力といえる。

単に本人が優秀というだけでなく、組織全体の沈静化・統率維持にも一役買ってくれる非常に有用な【戦力】。真っ先にコンタクトを取り誘ったのは正解だった。
え?クズの思考だって?やーん、くーにゃんそんなこと言われても今更過ぎて鼻で笑っちゃーう☆


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