661:名無しNIPPER[sage saga]
2022/12/21(水) 20:28:51.49 ID:bVSMz8780
『見張り台』
ヒュゥゥゥ…
盗賊「風が吹きっ晒しじゃ無ぇか…凍える寒さじゃ無いが…毛皮だけじゃ寒いだろう」
女ハンター「来るなと言ったのに…」
盗賊「眠れなくて暇なんだよ…んで?どこに光が見えんのよ」キョロ
女ハンター「昔はここに登れば妖精が見えた…」
盗賊「妖精?」
女ハンター「大人になったせいか…光しか見えなくなった」
盗賊「どこよ?」
女ハンター「そこら中に…」
盗賊「暗闇にまだ目が慣れて無ぇな…」ゴシゴシ
女ハンター「今晩は新月…妖精が見える筈」
盗賊「なぬ?」
女ハンター「お前…何故人のスペースにズケズケと入って来る」
盗賊「ほんなん気にした事無ぇよ」
女ハンター「少しは気にしろ」プイ
盗賊「俺の船だから俺が何処に行こうが勝手だ」
女ハンター「ちっ…」
盗賊「ラシャニクア…戦場で聞く噂とは随分違うな?」
女ハンター「何がさ…」
盗賊「妖精追っかけてる乙女だとは聞いた事が無い」
女ハンター「なっ!!」
盗賊「ヌハハ冗談だ…戦場に行く割には随分華奢で小柄だと思ったんだよ」
女ハンター「狙撃に体格は関係無い…逃げる嗅覚と腕が有れば良い」
盗賊「なるほど…ほんで妖精探しは嗅覚磨きってか?」
女ハンター「フン!!」プイ
盗賊「…なんで傭兵団抜けたんだ?」
女ハンター「あいつ等はクズばっかりだからさ」
盗賊「ほう?でも金稼げんくなるだろう」
女ハンター「私の戦果も全部アイツらが持って行く…金なんか殆ど貰って居ない」
盗賊「なるほど…何処も同じな訳か…」
女ハンター「何処も?」
盗賊「船に乗ってるミライとリッカ…一生懸命働いても貰える金はほんの少しだった…」
女ハンター「そう…」
盗賊「お前…奴隷だったんだってな?孤児だったんか?」
女ハンター「だから何?」
盗賊「いんや…何って話は何も無い…俺もゴミ食って生きてたって言いたいだけだ」
女ハンター「…」
盗賊「キノコ美味かっただろ…ゴミん中じゃ最高の御馳走だ」
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