3:名無しNIPPER[saga]
2022/06/29(水) 04:46:11.54 ID:5RrqZQj/0
休日の過ごし方というのは、ロドス内では多種多様であるが、私のような記憶喪失の者にとっては、どうにも歯がゆい時間である。
この空白の時間は自身が、芯となるものを欠落した人間であるということを、自覚させるのだ。
よって、わたしは休日というものをロドス内を歩き回ったり、ロドスの面々と話すことで、記憶の断片を探すことが多い。
ケルシーのいう通り、私がロドスの前身であるバベルのメンバーであったなら、私の過去は誰かの中に存在していることだろう。
恐らく、そのうちの一人である人物が、私の前に現れた。
「クロージャ、おはよう」
「おはよー…ドクター、なんだか今日は元気に見えるよ」
目の下にできた隈をこすりつつ、クロージャが伸びをする。
恐らく砂嵐の対応で手いっぱいだっただろうが、寝袋を持ちながら移動する彼女は疲れ切っているように見えた。
「クロージャ、今回も素晴らしい活躍だったじゃないか。恐らく、君の努力がなければロドスは未だに砂嵐の中で窒息していたよ」
「まあ、それはそうだけど、仕事だからね。褒めても何も出ないよ。ひと先ず重要機器のあらかたの隙間はゴムとコーキング剤で埋めて、作動点検したよ」
百は優に超える機器を手作業で治していったのだろうが、その献身的な仕事ぶりには合掌するよりほかない。
6Res/7.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20