【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.4
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348: ◆vqFdMa6h2.[saga]
2022/07/03(日) 21:26:00.46 ID:kq3pidQz0
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月岡恋鐘の口から語られた、事の経緯と彼女の心境を前に私たちは非難の手を緩めてしまっていた。
今この場にいる人間の誰よりも、月岡恋鐘は人の営みの歪さを、誰しもが有する悪意を、夢の舞台の澱んだ地盤を知っていたからだ。

私だって苦労をしてこなかったわけじゃない。
義務教育もそこそこに早いうちから研究生として人生の多くの時間をアイドル活動に割いてきた。
大人たちのやりとりだって、他の子供に比べると早くに目にすることになる。
でも、それは芸能界での話であり、外の世界の悪意となると下手すれば普通に育った連中よりも耐性はないのかもしれない。
私のようなアイドルは、温室育ちだ。
美しく咲くことだけを求められるがゆえに、水も温度も陽の光も、管理された上で与えられる。

ただ、月岡恋鐘は元々そうではなかった。
私たちが豊かな土で育ったのなら、彼女はコンクリートの上。
舗装という名目で頭から押さえつけられる、抑圧の環境下でなんとか芽吹かせた。
不可能を可能にした彼女の持つ芯の強さは、確かなものだったろう。

でも、彼女は真っ直ぐに芽を出したわけではなかったのだ。




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