見ただけで敵の強さがわかる奴って何が見えてるの?
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1: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:41:34.59 ID:gBWADCOx0

「なあ師範代、《殺人鬼》狩りなんてつまんねえことやめてガールズハントに行きましょうや」

「バカたれ」

私は、くだらないことを言う弟子に強めの拳骨をくれてやった。
ただでさえ、ムカつく状況なのだ。アホの相手をしていると余計に腹が立つ。

能力を使って、能力者、一般人問わず殺しまわっているサイコパスくそ野郎。
通称《殺人鬼》。私たちが、その殺人鬼を追い始めて既に6日も経つ。
その間も被害者が増え続けていることに、私は焦りを感じていた。

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2: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:43:44.28 ID:gBWADCOx0

「ガールズハントがダメならヤンキー狩りにでも行きません? ストレス発散にイキり散らかした奴らを投げ散らかしましょうよ」

私はこのアホ弟子のアホな物言いに、正直うんざりしていた。
土地勘があるだろうと、殺人鬼探索に連れてきたのだが。こんなことなら置いてくるのだった。
以下略 AAS



3: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:44:22.92 ID:gBWADCOx0

ちょうど、こいつを助け出したのもこの辺りでのことだった。
こいつの言う『いきり散らかした奴ら』というのは、件の武装ヤンキーたちのことだろう。
新しく手に入れた能力で、ヤンキー相手に無双して優越感に浸りたくてたまらないのだ。

以下略 AAS



4: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:44:50.75 ID:gBWADCOx0

叱責をくれてやろうと私が口を開いた瞬間、突如、周囲の空気が張り詰めた。
首筋の当たりに、ピリピリと微弱な電気が流れるような感覚。
ゆっくりと後ろを振り向くと、そこには念願のサイコパスくそ野郎が立っていた。

以下略 AAS



5: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:45:27.34 ID:gBWADCOx0

「なんだよ師範代」

額に、冷たい汗がにじむ。指先が震え、全身に鳥肌が立つ。
私の全ての感覚器官、野性的本能が告げていた。
以下略 AAS



6: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:46:47.84 ID:gBWADCOx0



「見ただけで敵の強さがわかる奴って何が見えてるの?」

以下略 AAS



7: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:47:19.68 ID:gBWADCOx0

それらはあくまで、演出の手法の一つであり空想上の産物フィクションでしかない。
だが、俺は知っている。師範代には明らかに、その何かが見えているとしか思えない。

あれは、年に一度の能力者たちが一堂に会するトーナメントが行われたときのことだ。
以下略 AAS



8: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:48:25.77 ID:gBWADCOx0

「そうそう。急に手に入れた能力で、無茶苦茶やる奴が多かったわけ。それこそ、殺し殺されが当たり前だった」

最近、能力を手に入れたばかりの俺が知らない時代の話だ。

以下略 AAS



9: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:49:29.35 ID:gBWADCOx0

「じゃあ、結局どうやって強さを見てるんすか?」

「勘だ」

以下略 AAS



10: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:50:11.32 ID:gBWADCOx0


そう、私の余計な一言が弟子の暴走を誘った。
どんな相手だろうと『やってみなきゃわからない』。そんなことを言うべきではなかった。
この惨劇は、結果として私自身が招いたものだった。
以下略 AAS



11: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:50:52.71 ID:gBWADCOx0

ふと、このアホで、三下気質で最強の弟子との出会いを思い出す。
こいつがヤンキーに囲まれていた時、私が割って入ってなければ武装ヤンキーの大半は命を落としていたであろう。
半泣きで拳を振るい続けるこいつに、まだ能力のない一般人であった男に私は強者のそれを感じ取った。

以下略 AAS



12: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:51:44.31 ID:gBWADCOx0

血の雨がやみ、空を見上げた。
もしかすると、このアホ弟子は生涯にわたって強者を見分ける目を身に着けることはできないかもしれない。
アイツが命を落とす覚悟が必要な敵なんて、私の知る限り存在しない。目を育てる経験なんて積みようがないのだ。

以下略 AAS



13: ◆CItYBDS.l2[saga]
2022/06/21(火) 00:52:22.39 ID:gBWADCOx0
おわり


14:名無しNIPPER[sage]
2022/06/21(火) 01:01:54.05 ID:/N167JAmO
オリジナル?良かった


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