6:名無しNIPPER[sage saga]
2022/04/21(木) 23:00:23.60 ID:BSUjMIrdO
「軽蔑してくれて結構よ」
「軽蔑なんてしねえよ」
雑踏を眺めながら京介はぼんやりと呟いた。
「桐乃はかわいいからな」
それは兄としてかそれとも。邪推はしない。
「お前の小説の妹も悪くはなかったよ」
「お褒めに預かり光栄だわ」
「ま、うちの妹には負けるけどな」
はいはい。別に張り合うつもりなんてない。
「私は京介が好きよ」
「ああ。ありがとう」
「でも、桐乃も好き」
「ああ。ありがとう」
的外れな感謝が不満で、私は彼に問い正す。
「それでもあなたは正しいと言える?」
「だから何度も言うように間違っては……」
「間違っていないとも言い切れないわ」
確かなことを告げると初めて京介は苛立ち。
「間違ってねえよっ!!」
吠えた彼の眼差しは妹への愛で燃えていた。
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