【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.3
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264: ◆vqFdMa6h2.[saga]
2022/05/06(金) 20:42:45.00 ID:OQT/+f4M0

気がつけば私は両膝をその地面につけていた。
ここ暫くの断食による肉体の疲労も相まって、肉体の虚脱感は凄まじく、意識はもはや肉体の外にあった。
有栖川夏葉のその成れの果てを今のか細く弱りきった体ではとても受け止めきれず、空っぽになった臓物を絶望と困惑が埋め尽くした。

どうして、よりによってこいつなんだ……?
本当にこの島では不条理なことしか起きない。
一度助かったから、もう無事……なんて物語のお約束ごとなんてこの島では守られやしない。
小宮果穂を庇い、肉体を完全に失ったというのに、それに飽き足らず機械の体すらも引き裂いての殺害。
ただ命を奪うだけに終始しない、犯人の手口とそこに交じる感情に苦々しい液体外から迫上がる。
つい昨晩まで言葉を交わした口と言葉を生み出す咽喉は距離を隔て、
機械の体になってから筋肉もないのに鍛えていた自慢の肉体は無残に断裂し、血管のようなケーブルがその間間に垂れ下がる。
肉体を繋ぎ、エネルギーを運んでいただろう液体は地面を黄緑色に染め上げ、私の鼻を刺激的な臭いが刺した。


「……クソッ」


茫然としかける自分を何とか揺り戻す。
今私が死体を発見したこの瞬間から、命を懸けた戦いの火ぶたは切って落とされているのだ。
嘆いているような時間などない。
力の抜けきった膝は、不格好に震えながら上体を持ち上げた。



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