61: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:49:15.31 ID:sRuakiC/0
歌織「プロデューサーさんの部屋のプレーヤーも、同じ場所で……このシーンで再生されたの。レジュームで、風花ちゃんの部屋とまったく同じに……」
え?
プロデューサーさんもパラノーマル・アクティビティを……
このシーンを?
歌織「風花ちゃんも、プロデューサーさんも、同じ映画のDVDをプレーヤーに入れっぱなしにしていつも見ている。それもまったく同じシーンを。その瞬間、私はわかったわ。2人は通じ合ってるんだ、って」
歌織さんは、少し残念そうだがそれでも笑ってそう言った。
その言葉に私は、二重のショックを受ける。
私が毎日のようにあの映画のあのシーンを見るのは、あの時のプロデューサーさんの手の感触と気持ちをまざまざと思い出せるからだ。
そしてプロデューサーさんも同じ事をしている? それはやはり、私と同じ気持ちなのだろうか? あの時を、手の温もりと気持ちを思い出している?
それは――信じられないぐらい、泣きそうになるぐらい嬉しいことだ。
けれどそれが事実なら、その事実によって傷つけてしまった人がいる。そう、歌織さんだ。
楽しいデートをしていたのに、当の相手は違う者を想っていたのだとしたら。そしてそれに気づいてしまったとしたら……
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