4: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:36:30.51 ID:sRuakiC/0
真壁瑞希「最小公倍数は、素因数分解……いえ、今のは忘れてください。周防さんはまだ小学生でした。ですので、すだれ算という方法で求めます。一緒にやってみましょう」
周防桃子「お願い、瑞希さん」
事務所の私の隣で、桃子ちゃんが瑞希ちゃんに算数の宿題を聞いている。
5: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:37:52.78 ID:sRuakiC/0
そう、私が最小公倍数について理解しているという証拠に、例えばとして計算してみよう。
20日に1日のオフと7日に1日のオフが一致するには……?
7は素数なのでこの場合は簡単だ。20と7をかければ最小公倍数は求められる。
すなわち――
6: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:38:47.71 ID:sRuakiC/0
改めて計算してみたことで、その数字の遠慮のなさに少し絶望を感じる。
私とプロデューサーさんは、おおよそ140日に1度しかオフの日が重なることはないのだ。
4ヶ月以上に1度!
1年なんて、365日しかないのだからつまり、年に2度はあっても3度はないのが、私たちが一緒にオフとなる日なのだ。
いやそれだって、私たちは規則的にオフを迎えているわけではない。様々なお仕事の合間にオフをもらっている。
7: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:39:49.38 ID:sRuakiC/0
風花「……あ、な、なんでもないのよ」
慌てて私は、宿題をしている2人に取り繕う。
瑞希「先ほど……140日に1日と呟いておいででしたが、それに何か関係することなのですか?」
8: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:40:34.63 ID:sRuakiC/0
普段だったら、いざとなると勇気を出せない私はためらったかも知れない。だが、今は違う。
先ほどの計算が、私を突き動かした。
私にとってチャンスは、どんなに多く見積もっても140日に1度しかないのだ!
風花「プロデューサーさん!」
9: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:41:07.48 ID:sRuakiC/0
P「そうか、風花も明日はオフだっけな。じゃあ……明日は一緒にでかけるか?」
風花「ふぇ?」
P「朝は早くても平気だよな? じゃあ、8時に迎えに行くから」
10: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:42:15.75 ID:sRuakiC/0
風花「あ、あの……これはどういう……」
このみ「ついに風花ちゃんが一歩踏み出して、プロデューサーを誘って成功したお祝いと」
11: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:43:35.83 ID:sRuakiC/0
風花「べ、別にそういうのじゃないんですけど……」
歌織「ないの?」
風花「え?」
12: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:44:35.06 ID:sRuakiC/0
このみ「プロデューサー? まあ、好きよ。普通に男性として。でもまあ、積極的に私がセクシーをアピールするまでではないかもね」
莉緒「私も。向こうから『好きだ、つきあってくれ』って言われたら考えるけど、まあ……歌織ちゃんや風花ちゃんの方がずっと好きだってわかってるしね」
風花「えええ? わ、私ってそんな風に見られてたんですか?」
13: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:45:27.60 ID:sRuakiC/0
莉緒「なるほど。140日に1度のチャンスか」
このみ「そう考えると、あの風花ちゃんがああいう行動に出たのも理解できるわね」
歌織「はあ……私にはまだまだ覚悟が足らなかったんですね」
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