2:名無しNIPPER
2022/04/02(土) 23:12:31.28 ID:QLtqEEbF0
電車を降り、道を歩きながら、彼女がきいてきた。
「マルゼンスキーさんとは、疎遠なんですか?」
私は驚いて、苦笑交じりにそれに答える。
「疎遠…ってことはないと思うけど」
「今でも連絡はとるんですか?」
「時々はくれるよ…彼女は律儀だから」
「律儀? 元、トレーナーには、律儀じゃないと連絡とらないんですか?」
元、というところに、彼女は、若干力を込めて言った。
「ウマ娘とトレーナーの関係って、引退したら、そのまま疎遠になるのが普通なんでしょうか?」
「そういうわけじゃないと思うけど…いろいろ、事情が」
「事情…事情ですか。どんな事情なんでしょうね。事情」
「トレーナーさんは、私の知らない過去をもつ人ですから」と、冗談っぽく言って、彼女は歩くペースを少し落とした。
レースまでは、今日は余裕をもって出てきたのでまだまだ時間がある。
会場につくまでにはまだかかるだろう。
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