ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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306:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:45:14.31 ID:XVB8s0iW0

こうしてスパーダは伝説となったが、
彼の戦いが終わることは無かった。
むしろそれからの戦いは、彼の生涯において
もっとも苦悩に満ち、そして初めての無力感をも味わわせるものとなった。

対魔帝戦のごとき「巨悪を倒せば済む」、という単純な構図ではなく、
その戦いの真の相手は、そもそもスパーダの刃では断ち切れないものだった。

それは竜王による騒乱から撒き散らされた「負の種」。
人間界を覆い、さらには天界にまで伝染した、
拭いがたい疑念、嫌悪、憎悪、憤怒そのもの。

その「負の種」は魔帝という共通脅威によって
しばらく寝静まっていたものの、
スパーダの勝利によって状況は変わった。

天界と人間界の諸勢力は、
今のところは協調路線を維持しようとしていたものの、
対魔帝という最大の動機は無くなってしまった。
そして諸勢力が対魔帝のために準備した莫大な武力は、無傷で残存。

いまや「負の種」が開花するには絶好の条件がととのっていた。

三位一体世界のすべてを巻き込んで、
人間界はこれより自滅の道を転がり落ちることとなる。
再燃した不和によって留まることを知らず、
天対人、そして人対人という恐るべき未来へ。

スパーダにとっては「守るべき存在」同士が殺し合う、
未曽有の苦難の時代へ。



「負の種」の主、ロプトの望むがままに。



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