205:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:45:03.56 ID:XVB8s0iW0
このクイーンシバの召喚術は、
侵犯者に対する切り札として編みだされた本命であった。
この三界において、確実に現存する者たちの中で、
魔帝ら侵犯者たちを上回る強者といえばクイーンシバである。
ならばその力を用いれば侵犯者達を制することも可能、
といった具合で、構想そのものはごく単純だった。
ただし実際の使用には多くの懸念材料もあった。
まず魔帝は、「果実」を食して魔界そのもの、
もといクイーンシバを味方につけているも同然だという点である。
その魔帝とクイーンシバの繋がりを
魔女の召喚術で覆せるのか、それはまったく不明だった。
魔帝との戦いの場ではクイーンシバの召喚術がうまく機能しない、
あるいは召喚できたとしても、
魔帝側につかれてしまうことも考えられた。
またクイーンシバの召喚術が正常に機能したとしても、
魔帝を完全に殺しきることは困難と考えられた。
クイーンシバにはエーシルの『無』のごとき性質はないため、
魔帝の『創造』を完全には破壊できない可能性が高かったのである。
かの存在を完全に無力化するためには、
『創造』を破壊する別の一手も必要だった。
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