169:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:25:58.78 ID:XVB8s0iW0
しかし一方で、もはや修復不能なまでに
関係が拗れていたのも事実だった。
これ以上の関係悪化は努力と良心で防げるかもしれない、
だが以前の状態へと修復することはもはや困難だった。
主神派も、魔女も、互いに存続や信念のために必死であり、
それゆえにもう後戻りはできない。
ここから変化があるとすれば、さらなる悪化のみだった。
こうした状況は、見方を変えれば
「竜王の勝利」とも言える構図だった。
かの悪竜は討伐されてしまったが、
その悪意が従来秩序を崩壊させ、
決して掃えない緊張と不和を植えつけることに成功したからである。
天界も賢者も、そして魔女も実感していた。
竜王の騒乱によって、「何か大きなものが狂いはじめた」と。
あの一件以降、決定的な綻びが生じはじめ、
全てが悪い方向へと流れつつあると。
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