ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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144:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:12:55.06 ID:XVB8s0iW0

魔神たちはまず、新たな生命圏を精密管理するための基盤として
大規模な霊的回路網の構築にとりかかった。

人間界深層におかれた「魂の苗床」と
天界にて眠るジュベレウスをつなぐ本線を中心とし、
そこから広がる無数の枝が人間界の生命圏を覆う、
「樹」のごとき構造がとられた。

これは末端の魂のあらゆる活動に干渉する機能も備えており、
用い方によっては、人間を霊的領域から支配することも理論上可能だった。
この巨大な霊的回路網は
魔神たちによって「セフィロトの樹」と命名された。

これは彼らの旧世界における同名の霊的構造、
そして魔界のクリフォトの樹にもかけた、
天界主神派の所業を皮肉った命名であった。

このセフィロトの樹は、実際の運用は主神派ではなく
他の天界有力派閥に委ねられることとなった。
これは主神派が天界指導部としての業務に専念するため、
また魔女の反応を鑑みた妥協という一面もあった。

管理者として選ばれた有力派閥は良識的であり、
かつてかのミカエルが属していたこともあって
人間界を救った貢献から魔女とも一定の友好を維持していた。
そのため、彼らがセフィロトの樹を運用するならば
いくらかは魔女の反発も和らぐと考えられた。

つまりこの時点では、
『樹』自体は人間を支配可能な能力を備えつつも、
主神派が直接的にそれを行使できる体制ではなかった。
これもまた、周囲からの反発を和らげるための妥協であり、
彼らは慎重に事を進めていったのである。



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