142:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:11:57.75 ID:XVB8s0iW0
第二章 新人間界
1 人間界の再建
表向き、主神派は人間界を救うためとしていたが、
その手法は侵略同然であり、
またその真の思惑も隠せるものではなかった。
潜在的に反主神派である魔神たちは真っ向から反対、
天界の他派閥も懸念を表明し、
天界寄りの賢者でさえも否定的な姿勢を示し、
魔女に至っては殺意をも露わにした。
だが主神派は否定せず、むしろ開き直って利点を述べた。
これはいわば同盟である、天界はさらに強くなり、
ジュベレウス復活にも近づき、
結託によって人間界も共に強くなる、と。
さらに決め手として、こう周囲に、特に人間たちに問うた。
他に人間界救済の策はあるのか、
人間達よ、汝らに滅び以外の選択肢はあるのか、と。
これに対して明確な答えを用意できた者はいなかった。
現実問題として、人間界の生命圏を復活させるには
これしか方法がなかった。
憤怒していた魔女達ですらこの現実を否定することはできず、
ただ沈黙を返すしかできなかった。
そして主神派と対立していた魔神派も改めて熟考した末、
しぶしぶながら認める形となった。
かつての全能性と旧世界を取り戻す、というのが魔神派の至上目的であり、
それを叶えてくれる「ジュベレウスの復活」へと到る道は
魔神派にとっても最優先だとだと再確認されたからである。
天界他派閥も苦渋の判断でこれに追従、
こうして一応の承認を得て、主神派は計画をついに開始した。
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